人物写真は要注意!勝手に撮らない、撮らせない
この連載でも何度か取り上げていますが、飲み会などの会合で撮影した写真を勝手にFacebookに投稿されて人間関係のトラブルになるケースが後を絶ちません。「何時に誰とどこにいたか」がすべて分かってしまうということだけではなく、泥酔している様子や表情がひどい写真を投稿されたことを不快に感じる場合も多いのです。
人を写すときは必ず写真を本人に見せて、了承を得ると安心です。ただ、複数の人で撮影した写真の場合、「自分だけNGとは言えない」と遠慮する人もいるかもしれません。集合写真なら何枚も撮ったり、少し遠くから店員に撮影してもらったりすると、みんなが納得する写真になりやすいでしょう。
さらに、ピース写真や瞳の写真から情報が割り出される事例をご存じでしょうか。国立情報学研究所の越前功教授の実験では、ピース写真の指紋から偽の指を作り、指紋認証を突破できたケースがあったといいます。また、徳島県警鑑識課が容疑者の撮影した被害者の瞳に映った姿を解析し、重要な証拠にした事例もあります。どちらもスマホのカメラが高解像度になったためですが、不安に感じる人はSNSへ投稿するときに画像編集アプリでエフェクトをかけると解像度を落とすことができるので、ぜひ試してみてください。
子どもの写真にも配慮が必要です。自分の子どもを撮影して投稿することになぜ問題があるのかと考える人もいますが、子どもには子どもの人格があり、大きくなったときにインターネット上に自分の子ども時代の写真が残っていることを嫌がるかもしれません。投稿するなら、実際の知り合いに公開範囲を限定することをおすすめします。運動会の写真などは周囲の子どもが写ってしまうことが多いので、顔にスタンプを施すなどして隠すようにしてください。
また、「電車でこんな姿で寝ている人がいた」「不思議なファッションの人がいた」など、盗撮まがいに他人を撮影する人がいます。無断で撮影した場合、肖像権の侵害にあたるケースもありますので、その面白さは自分の文才をつくして文章で伝えるといいですね。
そして「無断で写真を投稿されてしまった!」というときは、投稿主にメッセージで削除を依頼しましょう。拒否しても投稿されたときは、SNSの運営元に嫌がらせとして「報告」することができます。泣き寝入りせずに、報告してくださいね。