米アップル(Apple)の完全ワイヤレスイヤホンといえばこれまで「AirPods」しかなかった。しかし2019年7月19日、満を持して新シリーズが発売される。アップル傘下の米ビーツ・エレクトロニクス(Beats Electronics、ブランド名はBeats by Dr. Dre)の「Powerbeats Pro」である。
筆者は2016年末に発売された第1世代AirPodsを使っており「そろそろ別の製品に乗り換えようか」と考えていた矢先だった。そんなふうに思っていたAirPods利用者は少なくないのではないか。
日本での発売前に製品を10日間借りて試した。Powerbeats Proはアップルの直販価格で2万4800円(税別)。それだけの金額を支払って第1世代AirPodsを引退させる価値があるのか。これを検証する。
ペアリングは数秒で終了、接続端末の切り替えも簡単
まずは開封の儀である。箱を開けると、充電ケースに収められた状態の製品が登場した。充電ケースは存在感たっぷりで、AirPodsのそれと比べてかなり大きい。
充電ケースを開くと、筆者のiPhoneの画面にペアリングを促すインストラクションが表示された。画面の指示に従って充電ケースのボタンを長押しするとあっけなくペアリングが終了する。このあたりの操作性はAirPodsと同等だ。
1度ペアリングをすれば、次からは自動的に再接続される。同じApple IDが設定された他のApple製品との接続も簡単だ。Bluetoothの設定画面を開いてタップするだけである。iPhoneにPowerbeats Proを接続中でも、iPadやApple WatchのBluetooth設定画面を開いてタップするだけで接続を切り替えられる。
第1世代のAirPodsの場合、接続の切り替えに時間がかかったり、ときには切り替えられなかったりすることもある。Powerbeats Proは数秒で確実に切り替えられた。アップルの新しい完全ワイヤレスイヤホン向けチップ「H1チップ」による進化が垣間見える部分だ。