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 また、今回のトレンド30選にノミネートされた「#ネコニャンニャンニャン」は1979年に発売された「ネコ、ニャンニャンニャン」の一節だ。フォークデュオ、あのねのねが楽しく踊っていた風景を覚えている人もいるだろう。この流行を機に、「ネコ、ニャンニャンニャン」は2022年3月にサブスクリプションサービスでの配信がスタートしている。

 昭和と平成にはやった楽曲が、TikTokを通じて令和で再び花を咲かせているのだ。

若者の心に刺さる「昭和レトロ」と「平成レトロ」

 実はTikTokに限らず、昭和や平成の時代に流行したモノが若者の間でブームになっている。「エモい(心を揺さぶる)」といって昭和に愛されたモノを愛する「昭和レトロ」は数年前から注目されており、喫茶店のプリンやメロンソーダ、使い捨てカメラなどがブームになった。2022年に入り、昭和レトロに飽きた若者に「平成レトロ」ブームが起きている。

 若者にとって、自分たちがまだ生まれていない、もしくは子どもの頃の文化は新鮮に映るのだろう。「平成レトロ」で注目度が高いのは「ギャル」に関するものだ。例えばルーズソックスや大きめのシュシュを身に着け、ガラケーを持ち、プリントシール機で撮影する。プリントシールの背景は、ギャルらしく派手な文字を入れる。ガラケーは親のお下がりを手に入れる……といった形だ。

 今回発表された「TikTok2022上半期トレンド」には、昭和や平成に流行した楽曲、ファッション、文化などを「一周まわって」愛する若者たちの志向が色濃く反映されている。一方で、次世代のK-POPアイドルやVTuberなどもノミネートされており、最新の流行とレトロが混在している状況だ。

 TikTokは「おすすめ」を眺めているだけで楽しいコンテンツが次々に飛び込んでくる。若者がどのように昭和や平成を楽しんでいるか、一度のぞいてみてはいかがだろうか。

鈴木 朋子(すずき ともこ)
ITライター・スマホ安全アドバイザー
鈴木 朋子(すずき ともこ) ITライター・スマホ安全アドバイザー。ソフトウエア開発会社のSEを経てフリーランスに。SNSやアプリなどスマートフォンを主軸にしたサービスを行っており、書籍や雑誌、Webに多くの記事を執筆。スマホネイティブと呼ばれる10代のIT文化に詳しい。All About(オールアバウト)iPhone・SNSガイドも務める。著作は『親が知らない子どものスマホ』(日経BP)、『親子で学ぶ スマホとネットを安心に使う本』(技術評論社)など20冊以上。