スライド式の物理キーボードを搭載
「F(x)tec Pro1」は英国のFX Technologyによる物理キーボード搭載スマホである。国内ではリンクスインターナショナルが2020年7月に販売を開始している。
一見すると一般的なスマホだが、これでスライド式の物理キーボードを搭載している。キーボードをスライドさせるとディスプレーが起き上がり、小型ノートパソコンのようなスタイルになる。スライド式キーボードを搭載したスマホは、筆者の知る限り2016年に発売された「BlackBerry PRIV」以来ではないかと思う。
今回はリンクスインターナショナルからサンプル機を借りて実際に使ってみた。
CPUは米Qualcomm(クアルコム)のSnapdragon 835で、メモリーは6Gバイト、ストレージは128Gバイトとなっている。5.99インチの有機ELディスプレー(解像度2160×1080ドット、Corning Gorilla Glass 3を採用)を搭載している。
背面カメラは1200万画素と500万画素のデュアルで、カメラシャッターボタンを搭載する。また指紋認証センサーと3.5ミリのイヤホン端子がある。USBポートはType-Cで、USB Power DeliveryとHDMIをサポートしている。
DSDS(デュアルSIMデュアルスタンバイ)に対応しており、サポートするSIMの形状はnanoSIMだ。ただし2つあるSIMスロットのうち1つは、microSDカードとの排他利用となっている。OSはAndroid 9.0を搭載している。
物理キーボード搭載スマホは、キーボード機能に特化しがちで、性能面で一歩劣るという印象がある。ただしF(x)tec Pro1に関しては、最新のハイエンド機種にはちょっと及ばないが、一般的なスマホとして十分実用的だと感じる。
キーボードの搭載によって本体の厚みや重量が増す点を気にする人もいるだろう。F(x)tec Pro1の本体サイズは幅154×奥行き73.6×高さ(厚み)13.98ミリ、重量は243グラムとなっている。個人的には思ったより薄型・軽量だと思う。
一方、ディスプレーがエッジスクリーンになっている点には不便さを感じた。画面の端を触ると誤動作するようなセンシティブな場面があったからだ。
今回筆者はインターネットイニシアティブの「IIJmio」のSIMを挿してみた。このSIMはドコモ回線を使うものだが、安定して通信できており、通話も問題なくできた。IIJmioは、APNを選択して端末を再起動するだけで利用できた。