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キーは硬めで特殊な配列

 最大の注目点であるスライド式キーボードについて見ていこう。

 F(x)tec Pro1の画面右側を持ち上げるとキーボードが左側からスライドして飛び出してきて、ディスプレーがポップアップするような感じになる。画面がオフになっている状態でこの操作をすると、画面がオンになるので使いやすい。キーボードが出ているとき、画面は強制的に横画面表示となる。

スライド式キーボードを出した状態
スライド式キーボードを出した状態
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 キーは独立したボタンになっており、キータッチは硬めだと感じる。キーを強く押し込まないと認識しない。パソコンのキーボードをイメージしていると戸惑うだろう。英Planet Computersの「Gemini PDA」はノートパソコンに近いキータッチだったが、それとは対照的だ。

Gemini PDA(左)とF(x)tec Pro1を並べてみた
Gemini PDA(左)とF(x)tec Pro1を並べてみた
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 PDA全盛のころは、F(x)tec Pro1のようなボタン式のキーボードを持つ端末が多く存在した。代表例は米ヒューレット・パッカード(当時)の「HP200LX」である。隣り合ったキーの位置が離れているため、誤入力を防げるメリットがある。

 入力スタイルは、本体を両手で持って親指で入力する(HP200LXで愛用されていたスタイルで「HP打ち」と呼ばれていた)か、または本体を机に置いて両手の人さし指で押しこんでいくことになるだろう。

 キー配列はかなり特殊だ。左側の「A」キーと「Caps Lock」キーの間に、別の記号キーが配置されている。上下の「Q」キーと「Z」キーも同様だ。そのためキー全体が通常配置に比べて右寄りになっており、HP打ちをする際は左手の親指を大きく伸ばす必要がある。筆者はこの配列を初めて見た。

F(x)tec Pro1のキー配列
F(x)tec Pro1のキー配列
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 筆者は「Google日本語入力」をインストールして、キーボードレイアウトとして日本語キーボードと英語キーボードを選択した。そして、かなと英語をCtrlキー+Shiftキーの組み合わせで切り替えられるようにした。

テキストエディター(Jota Text Editor)アプリを使ってテキスト入力をしている例
テキストエディター(Jota Text Editor)アプリを使ってテキスト入力をしている例
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