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 一方、グーグルのFamily Linkが最も効果を発揮するのは、子どもがAndroidスマホを使っていて、グーグル独自のOSを搭載するパソコン「Chromebook」を組み合わせるケース。保護者側はAndroidスマホでもiPhoneでも構わない。1つの保護者用アプリで子どもの使う端末をまとめて見守ることが可能だ。アップルなら、もともとiPhoneなど向けだったペアレンタルコントロール機能をMacにも提供するようになっている。

米グーグル(左)と米アップル(右)は子どもの端末を遠隔管理するスマホアプリを最新OSに装備
米グーグル(左)と米アップル(右)は子どもの端末を遠隔管理するスマホアプリを最新OSに装備
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 筆者の場合、ペアレンタルコントロール機能の利用に当たっては「ネットの不適切なコンテンツは見てほしくないけれど、学習に必要なアプリや教育上好ましいコンテンツにはむしろ積極的に触れてもらいたい」という複雑な願いがある。つまり、子どもと相談しながらアプリ別やWebサイト別に使用の可否を決めたり、使用状況を見守ったりできる仕組みが望ましい。

 実はこうした制御の仕組みに関して、かつてのペアレンタルコントロール機能には一長一短があった。だが各社はここ1~2年で先を争うように機能を拡充してきた。その結果、どのペアレンタルコントロール機能でもアプリ単位、あるいはWebサイトごとに制御できるようになっている。単にアプリの起動やWebサイトのアクセスを認める・認めないというだけでなく、利用時間まできめ細かくコントロールするというものだ。

 この利用時間の制御機能は大きく分けて2種類ある。1つは「平日は午前9時から午後5時まで、休日は午前8時から午後7時まで」といった利用時間帯の制御。もう1つは、あるアプリの1日の累計利用時間が事前に取り決めた時間に達すると、そのアプリが使えなくなるというものだ。

 こうした機能を使いこなせば、例えば「(子ども向けのプログラミング学習に使われている)Scratchは1日2時間まで」「ゲームは土日それぞれ1時間以内」といった柔軟なコントロールが可能だ。利用時間が切れても、親が認めれば「ボーナスタイム」を追加することもできる。子どもと相談しながら適切なルールを決めてペアレンタルコントロール機能に反映するのがよいだろう。

 学校によってはWebの学習管理システムを導入しているケースもあり、子どもがアプリだけでなくWebブラウザーを使う必要も出てきている。OSベンダーのペアレンタルコントロールには、成人向けなど不適切なサイトの閲覧を自動的にブロックする機能もある。より厳しくアクセス制限したい場合は、親が指定したWebサイトだけを閲覧できるようにする「ホワイトリスト」も用意されている。