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 なお、こうした制御機能はいずれのOSベンダーも用意しているが、細かい部分では異なる。例えばWebサイトのホワイトリストを作成する際、URL全体を指定してWebサイト単位で管理するか、それともドメイン単位で管理するか、といった点だ。

 また、スマホについては現状、電話やメッセンジャーまでペアレンタルコントロールの対象にできるかどうかで違いがある。具体的には不審な相手との間で電話したり、メッセージをやり取りしたりしないようにホワイトリストを作る機能は、アップルの「スクリーンタイム」だけが備えている。ただし、各社ともペアレンタルコントロールを継続的に強化してきており、今後はこうした違いも徐々に解消されていくとみられる。

 内閣府が2020年4月に発表した「令和元年度 青少年のインターネット利用環境実態調査」によれば、青少年の93.2%がインターネットを利用している。ただ現状はスマホや携帯ゲーム機、タブレットが子どもにとっての「三種の神器」で、ノートパソコンやデスクトップパソコンの利用はまだ多くはないという。

 コロナ禍によって、こうした状況に変化の兆しが生じている。ボストン・コンサルティング・グループは2020年7月上旬、全国の保護者2000人を対象に休校中の小中高生の学習状況を調査した。その結果、学校再開後もICT(情報通信技術)を活用した教育を「継続希望」もしくは「一部は継続希望」する保護者は合計81%に達した。休校中に使った教材は「紙の教材」が63%と最多だが「デジタル教材」は39%、「リアルタイムのオンライン授業」も25%と、一定の広がりを見せている。

 子どもが多様なデジタル機器を使うことを踏まえると、これからは「スマホの利用を認めるかどうか」など端末中心ではなく、子どもを中心に「安全を確保しつつ健全にデジタルの世界に触れる」ための総合的なルールや仕組みを、家庭でも考えていく必要がありそうだ。