全1791文字
PR

 LINE、Twitter、Instagramなど、今の若者は様々なSNS(交流サイト)によって複合的につながっている。自宅や学校などのリアル空間だけでなく、インターネットも一つの居場所となっている。

 特にコロナ禍では、対面しづらい状況を補完するサービスに人気が高まっている。パラレル(東京・港、旧React)が提供するスマートフォンアプリ「パラレル」は、友達とグループ通話したり、オンラインゲームを楽しんだりできる通話SNSだ。パラレル上で見知らぬ人と出会うのではなく、知り合い同士での利用を想定している。

 LINEのグループ通話に近いが、プッシュ型で会話への参加を促すわけではない。ユーザーが通話ルームを開いて待っていると、友達登録している知り合いのユーザーに通知が届いて集まってくる。そんな「ゆるいたまり場」として使うケースが多いようだ。もともとゲーマー同士のコミュニケーションを想定していたが、用途が広がっている。

 パラレルは2019年にリリースしており、1年半で累計登録者数が100万を超えたという。ユーザーの7割が24歳以下の若者だ。コロナ禍で月間100時間以上通話しているユーザー数が増加しており、特に緊急事態宣言中にその傾向が強いという。

通話SNSアプリ「パラレル」はコミュニケーションを楽しむ機能も用意している
通話SNSアプリ「パラレル」はコミュニケーションを楽しむ機能も用意している
(出所:パラレル)
[画像のクリックで拡大表示]

 若者はどのようにパラレルを利用しているのか。パラレルの担当者に聞くと、3つの事例を示した。

 高校生Aさんは家にいる間、常に音声通話で恋人と互いにつながっている。「オンライン同棲(どうせい)」の状態だ。お風呂に入っているときや寝ているときでさえ、つなげたままだという。例外は家族と食事をしているときぐらいで、その間もテキストチャットでやり取りする。

 大学生Bさんは、ゲーム仲間と利用している。メンバーの性別や年齢はばらばらで、生活スタイルによって入退出することはあるが、誰かしらルームにいる。そのため、いつでも雑談ができ、時にはゲームや映画鑑賞をすることもある。イメージとしてはシェアハウスだ。

 大学生Cさんは、友人との恋バナ(恋愛相談)にパラレルを使っている。パラレルの画面共有機能を利用して、異性と交わしているLINE画面を見せ、どう返信したらいいのかを相談しながら中継する。カフェや友人の部屋で行っていたことを、各自の部屋で行っているわけだ。

 どれも用件を済ませる通話とは違い、同じ時間を共有したい若者の姿が感じられる。常に会話が必要なのではなく、ネットを介してまるで同じ空間にいるように過ごすことを楽しんでいるのだ。