ノートPCをメインのPCとして使っている人も多いのではないだろうか。ノートPCは薄型、軽量化が着々と進んでおり、標準サイズで重量が1キロを切るケースも普通になってきている。
筆者がノートPCを使い始めた1990年代は3キロ程度が標準で、2キロだと軽量だった。その頃と比べると隔世の感がある。重量級ノートPCがスタンダードだった時代は、1キロ以下でキーボードを搭載したPDA(パーソナルデジタルアシスタント)を併用するユーザーも多数いたのを覚えている。
そして昨今は9インチ以下のディスプレーを搭載したウルトラモバイルPC(以下、UMPC)が静かなブームになっている。その口火を切ったのは、中国Shenzhen GPD Technology(以下、GPD)がリリースした「GPD Pocket」。7インチのディスプレーを持つ超小型のノートPCである。その後、他のPCメーカーからも似たサイズのUMPCが発売されるようになった。GPDも後継機種の「GPD Pocket 2」を出している。
UMPCはカバンの中に入れっぱなしにしても負担が小さい。「本格的な作業ではなく、ちょっとした時間に作業したい」「いざというときにスマホではなくWindowsで作業したい」。そんなユーザーに最適なPCだと言えるだろう。
価格もUMPCの魅力だと言える。ハイスペックではないが日常ユースでは十分なスペックのUMPCが、5万円前後で販売されている。ハイエンドスマホよりはるかに安いことにお気付きの人もいるだろう。ハイスペックではないとは言ったものの、2000年初頭に販売されていたネットブックが実用にならないスペックだったのに比べると使いやすいと感じる。
大型化するUMPC
そのUMPCに関して筆者は、今後ディスプレーサイズの大型化が進み始めると予想している。現に後発メーカーが出してきた製品は、8インチサイズと一回りだがGPD Pocletより大きなディスプレーを搭載している。そんな中、今回のブームの火付け役となったGPDが大型化したUMPC「GPD P2 Max」をリリースした。8.9インチ、解像度2560×1600ピクセルのディスプレーを搭載するUMPCだ。
GPDが最近出してきたノートPCを並べてみた。いずれもUMPCというカテゴリーには入るが、受ける印象が機種ごとに随分違うし、想定している用途も異なる。
GPD Pocketのディスプレーは7インチ。ちょっと大きめの電子辞書のように見える。その後に出た「GPD MicroPC」は、ディスプレーが6インチとさらに小さくなった一方で、ポート類はGPD Pocketより充実している。エンジニアなどに向いているという売り文句だった。これら先に発売された機種と比べると、GPD P2 Maxの8.9インチというディスプレーサイズは、だいぶ大きくなったという印象を受ける。
日本では2019年9月に市販が始まったが、GPDはクラウドファンディングの「Indiegogo」で先行して出資を募っており、8月にCPUとSSDの種類が異なる2つのモデルが出資者向けに先行リリースされた。筆者はIndiegogoに出資して下位モデルを入手したので、使用感などを紹介しよう。