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子どもの写真をSNSに投稿するリスク

 子どもの顔写真をSNSに投稿するとどんなリスクがあるのだろうか。

 幼児が道で転んで大泣きしている、手を上げておなかが出ている、食べ物を口からこぼしながら食べているーー。どれもかわいらしい場面だが、本人が年ごろになったら他人に見られたくないかもしれない。消すことができない「デジタル・タトゥー」になりかねないということだ。

 子どもの名を伏せて投稿しても、写真から顔の特徴が分かったり、親が実名で投稿したりした場合、子どもが特定されることもある。投稿後に子どもに言われて削除しても、既に誰かが保存し、画像素材のように好き勝手に使われてしまうかもしれない。

 誘拐のリスクもある。親が「○○子ちゃんが、学校で表彰状をもらいました!」などというコメントと共に、子どもの写真と表彰状をそのまま投稿する。この場合、顔と本名がセットで伝わってしまう。また、「○○市教育委員会」など表彰者の名称から居住地域が判明する場合もある。制服を着ていたら、学校名も分かることもある。校門の前で「○○子ちゃんだよね? お母さんが事故で入院したから一緒に行こう」と不審者が子どもにつけいる隙を、親が作り出しかねないわけだ。

 子どもが大きくなってくるとネットを始める。友人の親の名前をPTA名簿などで知り、珍しい名字なら検索すると本人のページにたどり着くかもしれない。「○○子の赤ちゃんの頃の写真をゲット!」と子どもの友人がスクリーンショットを撮るかもしれない。当時、育児に悩む親として「○○子は発達障害かもしれない」と書いてしまっていたら……。どちらもスクリーンショットを撮ったり画像を保存したりしてSNSなどに展開すれば、「ネタ」となって拡散してしまう。つまり、いじめや嫌がらせに発展する可能性がある。