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コメントや写真に写り込む要素に注意

 こうしたリスクを伝えても「大げさだ」と考える親もいるだろう。子どもの写真を投稿すると「いいね」がたくさん付きやすい。育児中の人とコメントで情報交換して励まし合って、孤独な育児生活から救われる人もたくさんいる。

 そこで、子どもの写真をシェアするリスクを減らす対策を紹介したい。まずアカウントを非公開にして信頼できる人とだけつながることだ。全ての人に公開するよりリスクを軽減できる。それでも人はそれぞれの考え方があるため、「子どもの写真は不快だ」と思う人から反感を買うかもしれない。

 年賀状に子どもの顔写真を載せることに賛否両論があるのと同様に、他人の子どもに興味がない人もいる。そうした人は何かのきっかけで子どもの写真を外部にさらす恐れがある。そのため子どもの顔写真に加工を施して、本人であると特定できなくして投稿するとよい。

LINEのカメラアプリ「LINE Camera」で子どもの顔にスタンプを貼り付けた例
LINEのカメラアプリ「LINE Camera」で子どもの顔にスタンプを貼り付けた例
(出所:筆者)
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 子どもの名前が伝わらないようにする配慮も必要だ。親が気を付けていても、コメント欄で「愛菜ちゃん大きくなったね」などと、友人が名前を書き込むことがある。こうした場合は、友人にメッセージで「名前を消してもらえますか?」と頼むとよい。

 投稿には幼稚園や学校の名前を入れないようにする。運動会など行事のときには風景や制服が写り込みやすいが、特定されないように気を付ける。他人の子どもの写り込みはご法度だ。背景に写ってしまった場合は加工してから投稿する。

 子どもがある程度大きくなったら、本人に事前に写真を見せてSNSに投稿してもよいか、聞いてみてはいかがだろう。事前に相手の了解を得るというSNSの大原則を子どもに示すことにもなる。

鈴木 朋子(すずき ともこ)
ITライター・スマホ安全アドバイザー
ITライター・スマホ安全アドバイザー。ソフトウエア開発会社のSEを経てフリーランスに。SNSやアプリなどスマートフォンを主軸にしたサービスを行っており、書籍や雑誌、Webに多くの記事を執筆。スマホネイティブと呼ばれる10代のIT文化に詳しい。All About(オールアバウト)iPhone・SNSガイドも務める。著作は『親子で学ぶ スマホとネットを安心に使う本』(技術評論社)、『今すぐ使えるかんたん文庫 LINE & Facebook & Twitter 基本&活用ワザ』(技術評論社)など20冊以上。