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 「もともと社員のモチベーションを高める効果を期待して社内にeスポーツチームを持つアイデアがあった」(影澤担当課長)。優先順位の高い案件ではなかったが、「2018年からeスポーツ関連事業の検討を進めていく中でeスポーツチームと事業には大きなシナジーがあるという認識に変わった」(同)。

 社内にチームを持った上でeスポーツのイベントにメンバーを派遣すれば、開催地の地元eスポーツチームと対戦したり、プレーヤーとして出場したり、来場した子どもにゲームのコツを教えたりといった盛り上げ役を担える。eスポーツのイベントを企画する場合は、特定のゲームタイトルに詳しいメンバーがいると、どういう内容にすると面白いのかという勘所が分かる。

2019年8月14日、15日にさいたまスーパーアリーナで開催された「さいたま新都心夏祭り2019 SUPER KIDS FESTA」では、TERA HORNsが「ぷよぷよeスポーツ」のイベントを開催した
2019年8月14日、15日にさいたまスーパーアリーナで開催された「さいたま新都心夏祭り2019 SUPER KIDS FESTA」では、TERA HORNsが「ぷよぷよeスポーツ」のイベントを開催した
(出所:NTT東日本)
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 プレーヤーとしてもeスポーツに関わることで、イベント受託やICT環境の構築支援の競争力を高められる。チームを持てば新たなビジネスの創出も狙える。例えばチームや選手、コーチの育成といった「人材プロデュース事業」、社会人リーグや企業交流戦の主催といった「リーグ事業」の構想も持っているという。eスポーツチームのTERA HORNsを結成したのには、こうした狙いがある。

全国から腕自慢の30人を選抜

 優秀なプレーヤーがいないと画餅に終わるが、社員でチームを作れそうだという目算はあった。何を隠そう、影澤担当課長は格闘ゲーム「ストリートファイター」シリーズで「かげっち」という名で活躍した著名プレーヤーだ。「大きな会社なので、社内で探せば自分のようなプレーヤーは見つかるだろうと考えていた」(影澤担当課長)。

 TERA HORNsの結成に向け、プロジェクトチームは19年3月にNTT東本社と地域グループ会社の約3万人を対象に任意回答のアンケートを実施した。内容は「ゲームが好きか。どんなタイトルをプレーしているか」。プレーヤーの人数や選手層の厚みを知り、TERA HORNsで取り組むタイトルを決めるためだ。