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投稿時にハッシュタグを吟味

 企業がSNS活用をする際にもハッシュタグの付け方がポイントになる。投稿に関連するキーワードをすべて網羅するように、必ず複数のハッシュタグを付ける。ハッシュタグは本文の末尾にまとめて付けられることが多いが、本文と分けてコメント欄に入れてもいい。しかし、人気のハッシュタグだからといって、関連のないハッシュタグを付けるとユーザーから反感を買うので注意だ。

 Instagramでは、ハッシュタグの検索結果画面に表示されること、そしてその中で目立つことを「タグ映え」と呼ぶことがある。検索結果画面には、人気のリールやフィードが「トップ」タブに表示される。この1つめの画面に表示されると、新規ユーザーの流入が期待できる。「#猫」などのシンプルかつ人気のハッシュタグではトップタブに食い込むことは難しいので、スコープ(対象)を絞ったキーワードがよいだろう。検索サイトの上位に表示させる「SEO(Search Engine Optimization)対策」の考え方が参考になる。なお、関連性のないハッシュタグを付けている投稿は、Instagramのアルゴリズムによりトップに表示されにくいとされるので注意が必要だ。

 さらに、トップに表示された投稿の中から選ばれるために、Instagramのユーザーをひきつけるような「映える」投稿をする必要がある。複数の画像を投稿する場合は、アピールしやすそうな画像から並べるべきだ。

Instagramは発見タブに「旬の話題」として注目のハッシュタグをピックアップする新機能をリリースした
Instagramは発見タブに「旬の話題」として注目のハッシュタグをピックアップする新機能をリリースした
(出所:米Facebook)
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 「バズ(buzz)」を狙うなら、オリジナルのハッシュタグを考える手もある。例えば高校生たちは自分たちの学校にオリジナルのハッシュタグ、例えば「#○高最高」「#○高ってすてき」などを付けて投稿している。企業で言えば、キャッチコピーのようなものだ。新製品発表やキャンペーンに合わせて、覚えやすく語呂が良いハッシュタグを付けることをお勧めする。感度の高い読者なら、すでに実践しているかもしれない。情報を発信する企業側も、ハッシュタグ対策を情報拡散の有力な手段として注目する必要がありそうだ。

鈴木 朋子(すずき ともこ)
ITライター・スマホ安全アドバイザー
ITライター・スマホ安全アドバイザー。ソフトウエア開発会社のSEを経てフリーランスに。SNSやアプリなどスマートフォンを主軸にしたサービスを行っており、書籍や雑誌、Webに多くの記事を執筆。スマホネイティブと呼ばれる10代のIT文化に詳しい。All About(オールアバウト)iPhone・SNSガイドも務める。著作は『親が知らない子どものスマホ』(日経BP)、『親子で学ぶ スマホとネットを安心に使う本』(技術評論社)など20冊以上。