Androidはバージョン9を搭載している。操作感は必要にして十分との印象だ。速いわけではないが、遅くもない。ただし、Webブラウザーでサイトを見たり、電子書籍で読書したりするのはややつらい。画面が小さく、解像度も高くないからだ。メールを見たり、メッセンジャーツールを使うのは問題ない。
古いAndroid搭載ウォークマンを使ったことのあるユーザーは、新モデルで改善されているか非常に気になる点があるだろう。内蔵メモリーがフルに利用できるかどうかだ。
というのも、過去のAndroid搭載ウォークマンでは、アプリ用の領域が1GBしか割り当てられていなかったのだ。そのためしばらく使い続けると、Googleが提供する標準アプリのアップデートすらもままならない状態になってしまっていた。楽曲を保存するための領域をAndroidアプリ用の領域として使わせないようにするための設定なのだろうが、セキュリティーアップデートも実施できないのではAndroid端末としては論外だ。
NW-A106ではこの点が改善されている。システムで利用している分を除いた約20GB分の領域を自由に使える状態だった。楽曲データを保存する領域にしてもいいし、Androidのアプリ用にしてもいい。購入前にこの点を懸念していたこともあり、実際に触ってみて筆者はひとまず安心した。
音楽ファイルはドラッグ・アンド・ドロップでも転送可能ではあるが、基本的にはソニー製機器での音楽管理・転送アプリケーションである「Music Center for PC」を使った方がいいだろう。
Music Center for PCは、アーティストやアルバム単位の楽曲管理、プレーリスト作成機能、音楽CDからの取り込み機能、音楽ダウンロードサービス「mora」からの購入機能など、音楽管理ソフトとしては平均的な機能を備えており、iTunesと比べて特に劣る部分はない。
音楽ファイルは、本体メモリーとmicroSDメモリーカードのどちらに転送するかを選択できる。NW-A106側のアプリであるW.ミュージックからは、どちらに転送してもまとめてライブラリーとして管理される。
専用プレーヤーには、スマートフォンで音楽を聴く以上の音質を期待するだろう。ソニーはNW-Aシリーズを伝統的にウォークマンシリーズの中核モデルとして位置付けている。ハードウエア、ソフトウエアともに音質を高めるためのさまざまな機能を備えている。