「家計簿アプリ」で知られるマネーフォワード。個人向けアプリだけでなく、「MFクラウド」シリーズといった個人事業者や企業向けのアプリも用意している。2012年の創業(当時の会社名は「マネーブック」)から現在までラインアップを増やしており、会社の規模も急速に拡大している。人材獲得にも積極的で、幅広い職種の応募を受け付ける。
なぜ、マネーフォワードは数多くのエンジニアを必要としているのか。社長室 人事部 副部長で採用グループリーダーを務める小川昌之氏と、社長室 採用グループの井上 玲氏に、採用したいエンジニア像や面接で重視するポイント、入社後の役割などについて聞いた。
(聞き手は長浜 和也=フリーランスライター)
現時点で、幅広くエンジニアを募集している理由は?
井上:理由は二つあります。一つは、会社としてやりたいことの一部しかできていない状況だからです。マネーフォワードは「お金の課題解決」のためにアプリやサービスを提供していますが、それ以外にも新しい価値やサービスを提供したいと考えています。もう一つは、既存アプリやサービスに対して、より質の高いサービスを追加し続けていかなければならないためです。この両面から、エンジニアの増員が必要なのです。
必要に応じてスポット的にエンジニアを募集することもありますが、基本的には定常的にエンジニアを増やす方針でいます。取り組むべき技術的課題が落ち着いてエンジニアが余るということは、この先もないでしょう。増員計画について具体的な数字は明かせませんが、数十人規模でエンジニアを増やしていく予定です。
現時点では、新規事業よりは既存サービスのアップデートや機能追加の作業が多いので、採用したエンジニアについては、まずはそちらに参加してもらうことになります。
開発部署の規模や現場チームの構成は。
井上:マネーフォワードは、本社とMF KESSAI、mirai talk、そして、2017年に買収したクラビスの4社体制で事業を展開しています。マネーフォワード本社では、個人向けの自動家計簿アプリやBtoBのMFクラウド、金融機関向けの開発、さらに、ユーザー啓蒙などを目的としたメディア事業もあって、事業ごとにエンジニアが所属しています。加えて、これらの事業を横断して関わるインフラやセキュリティ、アカウントアグリゲーション(口座情報の集約機能)の開発を担当するエンジニアがいます。
マネーフォワード全体では2017年10月時点で247人の社員がいます。エンジニアの具体的な数は公表していませんが、社員の半数程度が開発に関わっています。開発チームの構成は部門ごとに異なりますが、事業によってはスモールチームによる開発を心がけています。典型的なMFクラウドの開発では、エンジニア2~3人程度で開発チームを編成します。一方で、インフラやアカウントアグリゲーションの開発チームでは10人を超える規模になります。
開発チームはプロダクトごとに編成しますが、その上のレベルとして開発の方向性を決めるプロダクトオーナーや進捗を管理するプロダクトマネージャーを設けます。一般的な開発チームでは、エンジニア以外に企画やデザイナー、営業なども加わり、そのチームだけで自立してプロダクトの開発からプロモーション、販売まで担当します。この場合で、十数人の規模になります。
開発手法やチーム運営の方針は、開発チームごとに決定しています。開発チームをまたがるメンバーの異動はあまり多くありません。エンジニアは担当するプロダクトに深く関わってもらう考えです。