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 2020年3月9日午前10時半、外出先で用事が終わり、近くの駅ビルにある喫茶店に入った。入り口近くの席に座り、ノートPCを開き、インターネットにつないだとき、富士通の記者会見がちょうど11時から始まることを思い出した。

 富士通から来た案内メールには「現在の新型コロナウイルスの状況に鑑み、ライブでのストリーミング配信とさせて頂きます」と書いてあった。案内されたページに行ってみると、社名、部署名、名前、連絡先(電話番号と電子メールアドレス)の入力を求められた。

喫茶店から記者会見を視聴

 指示に従うと時田隆仁社長がちょうど話を始めたところから会見を視聴できた。これは便利である。投影されているプレゼンテーション資料はダウンロードできる。会見の様子が分かる写真も後で入手できるという。これも便利である。

 一点だけ問題があった。イヤホンを持ってくるのを忘れたことだ。広い喫茶店で周囲には誰もいなかったのでPCのスピーカーで音を出して聴いてみたがさすがに大きな音は出せない。ノートPCに顔を近づけてみるとよく聞こえたが妙な格好になったのでやめた。

 発表会のお題は「DX企業への変革に向けた取り組み」であった。「DX企業」とは分かりにくいが、「顧客のデジタルトランスフォーメーションを支援できる企業」ということだ。担い手になる肝いりの新会社、Ridgelinez(リッジラインズ)を富士通は新設済みで、2020年4月から事業を始める。Ridgelinezの社長に4月1日付で就任する今井俊哉氏が登壇し、事業概要を説明した。

 今井氏はプレゼンテーションの冒頭、Ridgelinezは「Transformation Design Firm」である、と宣言した。DXで大事なのは「Transformation Design」なので新会社はそれを担う。社名が英語表記のせいか説明資料の用語にも英語がそのまま出てくるが、どのような企業や事業を目指すのか、目指す姿にどう到達するのか、といった変革そのものを設計(デザイン)する、ということである。

 ここでひっかかってしまった。デザインファームと言えば通常、デザイン事務所や設計事務所を指す。法人格を持たない場合も多い。コンサルティングファームはパートナーシップで運営され、株式会社ではなかったりする。

 だがRidgelinezは資本金1億円の株式会社である。時田社長は2023年3月期にDX関連で3000億円売り上げることを目指し、そのために同じ時期にDXコンサルタントを当初の4倍となる2000人に増やすと語っていた。

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