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 「日本が世界一」「どの国と競っても負けない」などと同じ日本人から言われると、意気は認めつつも「その通り」とは応じにくい。とはいえ「日本は遅れている」「欧米ではこうなのに日本は」などと同じ日本人から言われると面白くない。誇るべき点を自認しつつも謙虚、という中間の道を歩けないものかと思うが難しい。

 2020年10月17日から開かれたPMI(米国プロジェクトマネジメント協会)の会合でPMI日本支部(Japan Chapter)が「Chapter of the Year Award 2020」を受賞した。PMIは日経クロステックの読者であれば知っている人が多いだろう。プロジェクトマネジメント(PM)の普及を進めており、Inc.と付いているが非営利組織(NPO)である。プロジェクトマネジメントの知識体系書籍『PMBOK(Project Management Body Of Knowledge)ガイド』を発行するほか、PMP(Project Management Professional)という資格制度を運営している。

 勝手ながら筆者はPMIを世界最強のNPOと呼んでいる。1969年に米国で5人によって設立されてから50年間拡大を続け、今では全世界に60万人の会員と300の支部を持つ。PMPを取得した人の数は100万人を超える。PMPを取得し、維持するには相応のお金を支払う必要があり、非営利とはいえ動いている金額は大きい。

日本支部が初受賞

 さて本題はChapter of the Year Awardである。PMIが毎年、最も優秀とみなしたChapter(支部)を表彰するもので、今回は2019年の活動を対象に審査され、大規模支部の部門で日本支部がイタリア中部支部と並んで受賞した。日本支部は初受賞、東アジアや東南アジア地域の支部を見渡しても初の受賞になった。

 Chapter of the Year Awardの審査では「会員に提供した価値」「PMI標準類を活用したPM発展への貢献」「会員増および会員継続率向上の取り組み」「ボランティア活動の活性化」「2019年における顕著な活動成果」の5点が吟味される。

 日本支部は2019年、セミナーや研修などを80件以上開催し、5000人超の参加者を集めるとともに、30以上の研究部会が活動を続けた。会員数は3年間で1.5倍になり、2019年12月に5000人を超えた。ずぬけているのは会員継続率だ。2017年4月には72%、2019年5月は88%まで上がった(2019年末は85%)。日本のPMP資格者は3万8500人で世界第5位になっている。

 堂々たる成果であり受賞は当然だと思いつつ、長年記者をしてきたため疑問がすぐに浮かぶ。2017年の会員継続率72%も相当良い数字であり、2017年あるいは2018年になぜ受賞できなかったのか。