
谷島の情識
目次
-
最もオンラインに向かない「あの活動」をベテランSEが再設計するとどうなるか
「『最もオンラインに向かない活動』と題が付けられているが、読むとオンラインに切り替えた話であり変ではないか」。ここ数カ月ほど書籍を編集する仕事をしていたが、校正の際に同僚から指摘された。「最もオンラインに向かない活動」として書籍で取り上げたのは、婚活、パーティー、ライブコンサート、飲食、買い物など…
-
テレワークで大企業の支払い遅れが多発?慣れの問題かオンラインの限界か
「このところ取引先からの支払い遅れが多発しています」。1カ月ほど前、2020年8月のお盆休みに入る時期に知り合いがこんな電子メールを送ってきた。彼はメーカーの管理職で機器やその関連サービスを取引先に売り込む立場だが、売掛金の回収も仕事である。
-
切符を買ったのにコロナ禍で入場できなかった私はライブ配信に満足したか
音楽ライブのインターネット配信を題材にいわゆるオンラインの可能性を考えてみた。なぜ音楽ライブかというと、楽しみにしていた公演が続々と延期や中止になり、代わりに実施されたライブ配信を2020年6月から8月にかけて計6公演視聴し、色々と思うことがあったからだ。
-
テレワーク常態の日立や富士通はSEをどう育てるのか
テレワークが常態になったとき、システムエンジニア(SE)をどうやって育成するのか。2020年7月23日からの4連休にそんなことを考えた。きっかけは新聞の切り抜きを整理していて日立製作所の東原敏昭社長の談話記事が出てきたことだ。
-
オフィス半減・基本テレワークで「一番風呂DX企業」に変身する富士通
富士通はどうなるのか。ほぼ1年前の2019年6月、社長に就任した時田隆仁氏は「IT企業からDX企業へ」という経営方針を掲げ、外資系IT企業日本法人幹部のスカウト、営業部門とSE部門の統合、DXコンサルティング子会社の新設、中堅中小顧客向け子会社「富士通JAPAN(仮称)」の構想発表、など矢継ぎ早に…
-
まだまだ「若手」の40代、有望社員に逃げられないための処方箋
ひょんなことから「若手」について考えた。きっかけは5月18日から19日にかけて後輩とチャットツールを介して次のやり取りをしたことだった。「最近の日本で若手を何歳と定義するか、結構難しいと感じます。少子高齢化が世界に類を見ないニューノーマルを急速につくり出しているような」
-
SNS上の罵倒合戦から分かる、新型コロナより怖い現代人の「ビタミン不足」
「災害の話がたえず伝えられるために、ふつうの人間は、うっかりするとこれを現実のものとは感じなくなってしまう。(中略)ほんとうはどうなっているのか、誰にもよくわからないとなれば、なおさらかんたんに狂気じみた信念にしがみつくことになる」
-
一律10万円をすぐ給付できるシステム、プロの技術者ならどう設計する?
「一律10万円の現金給付を巡り、てんやわんやの状態が続いている。批判ならいくらでも言えるが、技術者としてもっと社会に役立つことをしたい。必要十分な時間をかけて給付の仕組みを作り直せるとしたら、どう設計するか」――。
-
禁句だった「オープン」と「AI」を熱く語るIBMのツートップ
自宅にいて時折お茶を飲みつつ普段着のままパソコンに向かい、米国のイベントや日本の記者会見を見聞きする。質問をしたり資料をすぐ入手したりできる。実際の会場に聴講者や記者を招けなくなりインターネットを通じて実施せざるを得なかったので感心している場合ではないが、実に便利だ。
-
訓練されて無能になった情報システムの「施主」が力を取り戻す方法
10年以上前の話になるが、日経コンピュータ誌の編集長をしていたとき「ユーザーあるいはユーザー企業という表記を使うな」と編集部員に指示した。情報システムが前提にあって、それを使う人や企業がいる。そういう印象を「ユーザー」から筆者は受けていたからだ。
-
炎上プロジェクトでも「ONE」になれば必ず春は来る
「プロジェクトで先が見えないとき、若い人が潰れてしまうことがある。でも必ず春は来る。そうメンバーに教えてあげるのがプロジェクトマネジャーです」。広島修道大学の佐藤達男経済科学部教授は2020年4月18日に開催された「Backlog World 2020 re:Union」に登壇、こう語った。
-
ITの世界は「教育された無能力」状態、立ち直るには思想が必要だ
「教育された無能力」という言葉があると知った。「考えても仕方がないし考えなくてもよくなった」状態を指し、「訓練された無気力」とも呼ぶ。社会学や教育学、行動心理学において長年注目されてきた現象だという。
-
システム障害対応の最中に感染し、全員が自宅待機を命じられたらどうなる?
「システムの障害対応をしている最中に関係者全員が自宅待機を命じられたらどうしますか」。知り合いのベテラン技術者からこんな書き出しのメールが送られてきた。一連の仕事を自宅や病院など別々の場所にいながらこなしていけるだろうか。
-
富士通肝いりのDX新会社は設計事務所か、それともゼネコンか
2020年3月9日午前10時半、外出先で用事が終わり、近くの駅ビルにある喫茶店に入った。入り口近くの席に座り、ノートPCを開き、インターネットにつないだとき、富士通の記者会見がちょうど11時から始まることを思い出した。
-
本に書いてある通りにデータベースを設計すると実務では動きません
IT勉強宴会というNPO法人がある。主催者は「一風変わった名称の勉強会」と自ら語っているが失礼ながら一風ではなく相当変わっている。宴会はシンポジウムの訳かと主催者に聞くと違うと言う。
-
顧客に土下座させる術を、「銀河を旅する2人組」から学んだ
顧客が店員や営業担当者に土下座を強いることはあり得ても逆は普通ないはずだが、先日その光景を目撃した。サービスの提供者に向かって対価を支払った顧客が続々と土下座をする場に居合わせたので報告する。
-
汎用機で育った技術者はオープンで活躍できるが逆はないのはなぜか
「本年最初に書いた拙文。1980年頃、HITAC8350のアセンブリ言語の解説書(箱に入っていた)を読み、数頁で挫折した(ような記憶がある)」SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)に上記の一文を投稿したところ数人から直接応答があった。
-
新人は汎用機のアセンブリ言語を学んで喜ぶ
コンピューターの仕事を40年あまり続けている方と年初に雑談した際、アセンブリ言語が話題になった。この方は金融サービス会社やその関連会社で情報システム基盤の開発や維持管理を長年担当してきた技術者である。
-
デザイン思考でゼロをイチにすれば、労働生産性は無限大になって思い切り休める
「かなり前から気になっていたのですが労働生産性という言葉は何とかなりませんか。日本企業は労働生産性が低いとか、そちらが書くでしょう。労働という二文字を付けると現場の働きが悪いように見えてしまう。我々が真面目に働いていないみたいです」
-
追悼、「最強のシステム部門を作った」東京三菱銀行元頭取・岸曉氏の思い出
1990年かその前あたりであったか、三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)の岸曉氏(当時専務)から叱られた。その数カ月前、あるコンピューター販売会社の懇親会に出たところ、岸氏が来ており初めて名刺交換をした。