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 「うちの製品が市場でシェアを獲得しているのは、材料メーカーとの緊密な開発協力と、長年培ってきた微細加工技術の賜物だ」と言うメーカーの方がいらっしゃったとします。このメーカーでは“材料技術”と“微細加工技術”が、製品を成り立たせる上で極めて重要な役割を持っていることになります。このような技術を「固有技術」と呼びます。

 メーカーが提供する製品は、当然ながら何らかの「技術」が組み込まれ、あるいは「技術」を用いて開発・生産されます。これらの、製品が目指している性能を達成するための技術を指す言葉が「固有技術」です。「製品にとって固有(必要)」の技術であるという意味合いと、開発生産をしている「メーカーにとって固有(独自)」の技術であるという両方の意味を込めています。

 製品開発や生産に使う「技術」には、もう1つあります。上記の「固有技術」を生かして適切に活用するための「技術」です。例えば、品質工学、FMEA(Failure Mode and Effect Analysis)、TRIZ(旧ソビエト連邦で生まれた問題解決理論)、FTA(Fault Tree Analysis)、DRBFM(Design Review Based on Failure Mode)などがよく知られています。それらは、対象である固有技術の種類に関係なく用いる技術という意味で、「汎用技術」と呼ばれています(図1)。

図1 汎用技術の位置付け
図1 汎用技術の位置付け
出所:産業革新研究所の熊坂 治氏による講演資料(第67回科学技術者フォーラム)
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 この連載に出てくるQFD(品質機能展開)は、「汎用技術」の1つです。そのQFDを発展させて、よりよく固有技術を生かすための汎用技術「QFD-Advanced」を提案、解説するのが、本連載の目的です。

* 図1にある通り、技術には固有技術と汎用技術に加えてもう1つ「管理技術」がありますが、ここでは固有技術と汎用技術を対象とします。