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 第3回で、「QFD-Advanced」による“技術の使える化”と汎用技術との連携の考え方の具体的事例として、問題発生の未然防止に関わるFMEA(Failure Mode and Effect Analysis)、DRBFM(Design Review Based on Failure Mode)について説明しました。今回は、設計最適化の方法である品質工学のパラメーター設計、および品質に関わる問題点分析の方法であるFTA(Fault Tree Analysis)との連携について説明します。

 説明用の具体的事例としては、第3回と同じように、印刷機やプリンターなどで用いられている画像形成装置の「紙送りシステム」を用います。その中央断面図を、もう一度図1に示します。

図1 紙送りシステムの中央断面図
図1 紙送りシステムの中央断面図
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 この紙送りシステムでは、右下のカセットに用紙が収納されており、そこからピックアップローラで用紙を左へ送り出します。送り出された用紙は、フィードローラとリバースローラで挟まれて1枚目のみがさらに左へ送られ、用紙が重なっていた場合2枚目は戻されます。送り出された用紙は、レジストローラ部でいったん停止した後、画像形成と合うタイミングでレジストローラ部からさらに左へ送り出されていきます。