PR

 第3回第4回第5回を通して、「QFD-Advanced」による「技術の見える化」と、いくつかの汎用技術との連携による「技術の使える化」について述べてきました。今回は、最終回として、方法論としてのQFD-Advancedの位置付けを、SECIモデルやMBD(Model Based Development、モデルベース開発)との関係などを通して説明します。

 開発という創造的活動を表すモデルとして、SECIモデルがよく知られています(図1)。一橋大学名誉教授・カリフォルニア大学バークレー校特別名誉教授の野中郁次郎氏らが提唱したものです。この理論(モデル)の中で、暗黙知と形式知という新しい知識変換の考え方を提示し、その知識変換のスパイラルが創造的活動を生み出すと述べています。

 
図1 SECIモデル
図1 SECIモデル

 SECIモデルは、具体的には図1のように表現されます。「共同化(Socialization)」プロセスでは、共体験などによって暗黙知を獲得し、組織内で伝達します。「表出化(Externalization)」プロセスでは、得られた暗黙知を共有できるように形式知に変換します。見える化する、といってもよいと思われます。「連結化(Combination)」プロセスでは、形式知同士を組み合わせて新たな形式知を創造します。

 その新たな形式知は、組織知とも呼びます。「内面化(Internalization)」プロセスでは、利用可能となった形式知を基に実践を行い、その知識を体得し、新たな暗黙知を得てさらにこのスパイラルを回していくことになります。SECIとは、それぞれのプロセスの頭文字を並べたものです。

 このスパイラルを確実に回して創造的活動を進めるためのキーとなるプロセスは、「内面化」プロセスです。暗黙知を形式知にするのはそれほど難しくありませんが、形式知(組織知)から暗黙知を得るには、その形式知(組織知)が暗黙知を生み出せるようになっている必要があるため、その形式知(組織知)の質が問われるのです。