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1.後ろから作る(総監部門 記述式)

1-1 作成する順番

 総合技術監理部門の記述式論文は、最後から最初へと逆に戻るように作成する。実際に書き始めるのは1枚目からでもいいが、内容を考える際には後ろから考える。

 なぜリスク対策から作成するかといえば、リスク対策は現実的に可能なものでなければならず、実際に日常的に行っているものが良いので、問題文に寄らず、ほぼ固定できるためだ。しかも公共事業や公共性の高い業務では、リスクの大きさの順番もほぼ決まっているので、リスク対策の重要度も決まるからだ。

 公共事業や公共性の高い業務では、リスクの大きい順番(つまり対策を取る順番)は以下の通りだ。

  1. (1)工程
  2. (2)品質
  3. (3)コスト
  4. (4)安全
  5. (5)情報
  6. (6)環境
  7. (7)人的資源

 (1)と(2)は入れ替わる可能性がある。また、(4)~(6)も業務によって入れ替わるかもしれない。リスク対策を取る順番が決まっているから、リスク対策の内容もほぼ固定できるわけだ。

 以下にリスク対策の例を紹介する。

順位 管理技術 リスク対策例
(1)工程 経済性管理 経営資源の投入(人、機械、設備)
二次製品化
ICT施工
標準化、マニュアル化、仕様化
(2)品質 二次製品化
二重チェック
チェックリストの活用
システム化、マニュアル化(ISO)
(3)コスト 工期短縮
集中購買
共同購入
工法変更
(4)安全 安全管理 OHSMS
安全パトロール
安全教育
(5)情報 情報管理 セキュリティー強化
持ち出し禁止
(6)環境 社会環境管理 振動騒音対策
水質浄化対策
散水
(7)人的資源 人的資源管理 リフレッシュ休暇
学会発表の機会

 自分の得意なプロジェクトで、事前にこの表を作成しておくことが重要だ。