2018年度の技術士第二次試験の筆記試験に関して、読者の中でも受験者の多い「施工計画」の記述式について、解答のポイントを紹介する。まずⅡ―1の出題を以下に示す。
II―1―1
軟弱地盤上において、橋台の背面に盛り土を計画する場合に留意すべき点を2つ挙げ、それぞれの対策工について概説せよ。
II―1―2
平成26年6月に改正された、いわゆる「担い手三法」について、法律の名称(略称可)を全て挙げ、これらが改正に至った背景を簡潔に説明せよ。また、このうち1つの法律について、主な改正点を2つ述べよ。
II―1―3
供用中の道路上空における橋梁新設工事において、考慮すべき公衆災害防止対策を3つ挙げ、それぞれについて概説せよ。
II―1―4
マスコンクリートの施工に当たって、特に留意すべき事項を述べよ。また、その留意事項について、製造・運搬、打設・養生などの各段階において講じなければならない対策について概説せよ。
Ⅱ-1-1の解答ポイント
留意事項と対策は以下の2点。
(1)背面盛り土による橋台基礎部の側方流動
基礎杭の頭部に影響が出るので、橋台背面の盛り土を軽量化するか軟弱地盤層を改良する。
(2)背面盛り土による圧密沈下で、橋台基礎杭にネガティブフリクションが作用する
基礎杭にフリクションカットを施した杭材を使用するか、ネガティブフリクションを見込んで、杭体および支持力の検討を行う。