前回説明した生コン発注ルートの1つである直接発注ルートでは、その生コン製造会社に乾燥収縮率の実験データの提供を要望できる。
現状では、全ての生コン製造会社が乾燥収縮率の実験データを公開しているわけではない。しかし、最近は骨材の収縮を心配する建設会社が増えているので、実験データを提示する生コン会社が増えてきた。
生コン製造会社、東和アークス(さいたま市)は、住宅会社や建設会社などから要望があった場合に、同社所有の5工場の乾燥収縮率のデータを無料で提示している〔写真1,2〕。いずれも第三者の研究機関や検査会社が調べたデータだ。
同社技術部の道法和信部長はデータを提示する理由について次のように説く。「日本建築学会のJASS5には、コンクリートの乾燥収縮率の目標値が800マイクロ以下と明記されている。ユーザー企業に安心して生コンを使ってもらうためにも、目標値を満たしている事実を客観的なデータで示す必要がある」