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粗骨材は砂利から砕石へ

 つまり、どの生コン工場を選ぶかで、乾燥収縮率が最大750μも違うのだ。ちなみに、単位水量を10kg減らしても、乾燥収縮率は30μ程度しか下がらない。単位水量の削減効果は、生コン工場の選別による削減効果のわずか4パーセントに過ぎない。これでは、いくら頑張って単位水量を減らしても、思い通りの効果を上げられない。

 なぜ生コン工場によって、乾燥収縮率がこれほど違うのか。その最大の要因が、粗骨材の収縮だ。生コン工場で使われる粗骨材の種類や産地によってコンクリートの乾燥収縮率に大きな違いが生まれ、ひび割れの発生に決定的な影響を与える。では、なぜ粗骨材の影響が大きくなったのか。閑田氏は次のように説明する。

鹿島技術研究所の閑田徹志氏。コンクリートのひび割れ問題の第一人者(写真:安川 千秋)
鹿島技術研究所の閑田徹志氏。コンクリートのひび割れ問題の第一人者(写真:安川 千秋)
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 「かつて、粗骨材に砂利を使っていた時代には、単位水量を指標とすることに大きな意味がありました。どこの砂利を使っても、乾燥収縮率がほとんど変わらなかったからです。今でも、生コンの材料をすべて同じものに揃えて実験すると、単位水量の増減がひび割れ発生の度合いに直結します」

 「ところが、現在では粗骨材に使う材料は、砂利ではなく砕石です。その砕石の種類によって乾燥収縮率が大きく異なり、ひび割れの発生にダイレクトに影響を与えるのです」