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接触確認アプリ、本当に使う?~公益のための個人データ活用とは 6/8 18時

 新型コロナウイルスの感染拡大への対応で各国政府は、人と人との間隔を空け、接触機会を減らすよう努める「ソーシャル・ディスタンシング」を指示している。自宅待機や在宅勤務などの措置で外出が制限される中、SNS(交流サイト)の利用が急増しているという。

利用急増が収益につながらず

 米フェイスブックは2020年3月24日、同社サービスの利用がこの1カ月で急増したと明らかにした。分析担当バイスプレジデントのアレックス・シュルツ氏とエンジニアリング担当バイスプレジデントのジェイ・パリク氏によると、多くの国でメッセージ件数が50%以上増加。感染者が多い国では対話アプリの「Messenger」と「WhatsApp」の音声・ビデオ通話が2倍以上増えた。イタリアでは各アプリの利用時間が70%増え、グループ通話の利用時間が1カ月で11倍超に増えたという。

 米ウォール・ストリート・ジャーナルによると、マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)も最近の電話会見でトラフィックの増加を明らかにしていた。同社のサービスでは毎年12月31日にトラフィックが急増するが、ここ最近は新型コロナウイルスの影響で、それを大きく上回る水準に達しているという。

 ところが、こうした利用急増が広告の収益増につながっておらず、むしろ同社の事業は打撃を受けていると、シュルツ氏とパリク氏はブログで述べている。利用が伸びた「Messenger」や「WhatsApp」はもともと、収益化に直接寄与していない。「Facebook」向け広告事業は、外出禁止令などの強力な感染防止措置を取っている国で打撃を受けているという。「世界の多くの企業と同様に我々のビジネスにもマイナスの影響が及んでいる」としている。

ツイッター、1~3月期業績予想を下方修正

 米ツイッターは2020年3月23日、新型コロナウイルスの感染拡大が及ぼす影響を具体的に報告した。「企業の事業活動や世界経済情勢に及ぼす影響が深刻化し、広告の需要にも影響が出ている」という。同社は先の決算発表で、2020年1~3月期の売上高予想を8億2500万~8億8500万ドル(約894億8000万~960億円)、営業利益予想を最大3000万ドル(約32億5000万円)としていた。しかし、売上高は前年同期の7億8700万ドル(約853億6000万円)を若干下回る見通しで、営業損益は赤字になるとしている。また、先に公表していた営業経費や従業員数、設備投資などに関する年間見通しを撤回した。

 ツイッターのネッド・シーガル最高財務責任者(CFO)は声明で、「新型コロナウイルス感染拡大の影響が出始める前、当初は好調なスタートを切っていた。その後、世界的な大流行となり、過去数週間でツイッターにおける全世界の広告事業が著しく影響を受けた」と述べている。

 一方で、ツイッターもサービスの利用が増えていると報告している。2020年1~3月期は、3月23日までの「1日当たりの広告を閲覧した利用者数(mDAU)」が1億6400万人となり、前年同期から23%増加、2019年10~12月期からは8%増加したという。

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、自宅待機している人は、いつもより頻繁にSNSを利用し、友人の近況やニュースなどをチェックしている。しかし、SNSは収入の大半を広告に依存している。世界的な景気後退で企業の広告予算が減れば、大きな打撃を受ける恐れがあるという。需要が激減している旅行業界は広告支出を大幅に削減している。店舗休業や工場閉鎖を余儀なくされている小売業と自動車産業にも影響が出ているという。

 別の記事で、新型コロナウイルスの感染拡大は、グーグルの事業にも打撃を与えそうだと伝えている。グーグルも売上高のほぼすべてをネット広告から得ている。検索、地図、動画などのサービスに広告を掲出している大手が支出を大幅に削減する可能性があるという。