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 米Facebook(フェイスブック)は2021年3月31日、サービス内に表示される投稿を容易にコントロールできるようにすると明らかにした。ニュースフィード画面内の目立つ場所に「フィード・フィルター・バー」と呼ぶ設定項目を用意し、投稿を時系列順に表示したり、お気に入りに登録した友達や公開ページの投稿を上位表示したりできるようにする。

 フェイスブックは自社のSNS(交流サイト)プラットフォームで虚偽情報やヘイトスピーチ(憎悪表現)を拡散しているとして非難されており、批判をかわす狙いがあるとロイターは報じている。

 フェイスブックは、コメントできる利用者グループを個々の投稿ごとに選択できる機能を追加することも明らかにした。「迷惑なコメントを制限し、安心してコミュニティーと有意義な会話ができる」と説明している。また、現在提供している「新型コロナウイルス感染症情報センター」のような情報発信ページを拡充する。米国では新型コロナのほかに、「2020年大統領選挙」や「気候変動対策」に関する情報発信をしてきたが、新たに「人種間の平等」を加える。

関連リンク:フェイスブックの発表資料
関連リンク:ロイター記事

コンテンツ削除やポリシー改訂、SNS3社の対応策

 米国では、新型コロナ感染症が拡大して以降、SNS上で虚偽情報やヘイトスピーチ、暴力賛美、陰謀論などの投稿がまん延した。今回のフェイスブックの措置はこうした問題が背景にある。

 米CNBCによると、フェイスブックは20年8月、陰謀論を唱える集団「Qアノン」関連のコンテンツを削除した。同社は約900件の公開ページとグループ、約1500本の広告を削除し、300個以上のハッシュタグを無効にした。暴力の助長につながる根拠のない説を主張するコンテンツを一掃する取り組みの一環とし、約2000件のフェイスブックグループと約1万件の写真共有アプリ「インスタグラム」アカウントにも制限をかけた。

 ロイターは20年7月、米Google(グーグル)が新型コロナ関連の科学的根拠のない危険なコンテンツを掲載するウェブサイトやアプリに対し、広告配信システムの利用を禁じる措置を講じたと報じた。「新型コロナは作り話」「生物兵器として中国の研究所で作られた」「米Microsoft(マイクロソフト)共同創業者のビル・ゲイツ氏が製造した」といった事実に反する陰謀論を唱えるサイトなどを対象にした。

 グーグル傘下の米YouTube(ユーチューブ)は20年10月、陰謀論を利用して個人や団体を攻撃するコンテンツを禁止すると発表した。ヘイトスピーチとハラスメントのポリシーを改訂。特定の人物や団体がQアノンや「ピザゲート」などの陰謀論に加担していると主張し、陥れようとする動画などを禁じた。同社は数万本のQアノン関連動画を削除。暴力を加えると脅したり、実際にあった暴力事件を否定したりするものを削除対象にした。

 米Twitter(ツイッター)は、トランプ前米大統領の対応に追われた。20年5月にミネアポリスで白人警官に取り押さえられた黒人男性が死亡した事件が起きたが、トランプ氏はこれに関し「略奪が始まれば、銃撃も始まる」と投稿。ツイッターは「暴力に関するツイッターのルールに違反する」と注記をつけ、表示を制限した。トランプ氏の問題投稿はその後も続いた。内容は、不正選挙や選挙結果が出ていない州での勝利をほのめかすものなど、多くが根拠のないもので、ツイッターはそれらすべてに対応した。

 21年1月8日、ツイッターはトランプ氏のアカウントを永久停止。同氏との「戦い」は終結した。それでも、米ニューヨーク・タイムズは1月下旬、ツイッターには依然として選挙や新型コロナ関連の誤情報がまん延しており、同社は対応に追われていると報じた。