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 新型コロナウイルスの感染拡大は米テクノロジー大手の業績にも大きな影響を及ぼしているようだ。とりわけ収益の大半を広告事業に依存するネットサービス企業の2020年1~3月期決算は、1年前と大きく異なるものになった。ただGAFAをはじめとする大手テック企業は、新型コロナを機に技術職の雇用拡大に動いているという。

ツイッター、3月中旬~下旬に広告売上高27%減

 米ツイッターが2020年4月30日に発表した同1~3月期決算は、売上高が前年同期比3%増の8億800万ドル(約864億円)となった。このうち広告売上高は6億8200万ドル(約729億円)で、前年同期比0.4%増と小幅な伸びにとどまった。

 ツイッターのネッド・シーガル最高財務責任者(CFO)によると、同四半期は当初好調なスタートを切っていたものの、3月に入って新型コロナウイルスの影響を受けたという。米国で各行政当局が外出禁止令を出し、世界中でイベントの中止が相次いだ3月11日~31日、広告売上高は前年同期から27%減少したという。

グーグルの増収率13%にとどまる

 米グーグルの親会社の米アルファベットが20年4月28日に発表した同1~3月期の決算は売上高が411億5900万ドル(約4兆4000億円)。前年同期に比べた伸び率は13%増と低水準だった。ルース・ポラットCFOは、「1~2月の広告売上高は好調に推移していたものの、3月に入って急激に落ち込んだ」と説明した。

 こうした中、アルファベットはコスト削減で状況を打開しようと考えている。米CNBCや米ブルームバーグは先ごろ、感染拡大の影響でネット広告市場が低迷する中、アルファベットは年内の投資計画を見直すと報じた。

 スンダー・ピチャイ最高経営責任者(CEO)は従業員宛てのメモで「一部の戦略的重要分野では採用を続けるが、採用のペースを著しく落とすべき時期だと考えている」とし、雇用計画を見直す方針を示した。「世界経済は打撃を受けている。グーグルもアルファベットもパンデミック(世界的大流行)の影響から免れることはできない」と述べた。

 2019年末時点のアルファベットの正社員数は約12万人。同社は19年に2万人を採用した。20年も同規模の採用を計画していたという。また、グーグルは年内にデータセンターやコンピューターサーバーなどの分野に235億ドル(約2兆5000億円)を投じる計画だった。ピチャイCEOはデータセンターの新設や設備拡充といった分野でも投資を抑制する方針を示している。

 新型コロナウイルスによる景気低迷で打撃を受けたスタートアップ企業は数千人もの従業員を解雇しているが、ピチャイCEOの方針転換は、その影響が巨大テクノロジー企業にも及んでいることを示していると、ブルームバーグは伝えている。

フェイスブック、「4月は安定化の兆しみられる」

 米フェイスブックが4月29日に発表した1~3月期の決算は、純利益が1年前から2倍の49億200万ドル(約5240億円)となった。前年同期は米連邦取引委員会(FTC)に科せられた制裁金に伴う費用として30億ドル(約3210億円)を計上していたが、今回はその影響がなくなり、利益が押し上げられた。

 一方、売上高は177億3700万ドル(約1兆8900億円)で、前年同期比18%増加。全体の98%を占める広告売上高は同17%増だった。フェイスブックの増収率はこれまで20%台の半ばから後半で推移していたので、これは低い水準だ。同社も「新型コロナウイルス感染拡大の影響で3月中旬から広告需要が急減。広告単価も低下した」と説明した。

 ところが、同社は楽観的な見通しも示している。4月の広告売上高は、最初の3週間が1年前とほぼ同水準で推移し、「安定化の兆しがみられる」という。自宅待機が増えたことで、SNS(交流サイト)の需要が高まっているという。3月末時点のFacebookの月間利用者数は26億人となり、1年前から10%増加した。