全3221文字
PR

 2020年11月7日(米東部時間)に米大統領選の当選が確実と報じられたジョー・バイデン前副大統領が次期大統領になる見通しとなった今、GAFAとも呼ばれる米国の巨大IT(情報技術)企業4社に対する逆風がいっそう強まりそうだ。

 米連邦議会下院の司法委員会は20年10月、Google(グーグル)やAmazon.com(アマゾン・ドット・コム)、Facebook(フェイスブック)、Apple(アップル)を対象にした反トラスト法(独占禁止法)調査の報告書をまとめた。

 この時点では、「報告書は野党・民主党議員がまとめたもので、法的な拘束力はなく、立法化につながるかどうかは不透明」といわれていた。だが、ロイターはこの報告書について、バイデン政権が誕生すれば、GAFAにとって深刻な問題になると指摘していた。

 ロイターによると、バイデン氏はかねて「巨大テクノロジープラットフォームは独占的地位を乱用しており、今の経済集中の状況は民主主義をむしばむ」と述べていた。「反トラスト法に関する今の法執行体制は軟弱」とし、「テクノロジー大手には連邦当局による厳しい監視と調査が必要だ」との考えを持つという。

GAFAに対する民主党のロードマップ

 ロイターは、この報告書はGAFAに対する民主党のロードマップだという。民主党が上下両院で過半数議席を獲得し「ねじれ構造」が解消されれば、その意味するところは相当に変わると報じている。

 報告書では、4社がそれぞれの市場で独占的な力を享受していると結論づけ、反トラスト法の改正や法執行の強化を求めている。具体的には、支配的プラットフォーム企業による、分野が近い事業への新規参入を禁止するよう提言。すでに参入している場合は、「巨大IT企業を構造的に分割し、親会社と異なる事業機能を持たせるようにすべきだ」としている。

 例えば、グーグルの場合は動画配信の「YouTube(ユーチューブ)」を切り離し、フェイスブックの場合は写真共有アプリの「Instagram(インスタグラム)」や対話アプリの「WhatsApp(ワッツアップ)」を切り離すべきだとしている。米国で1933年に制定された、商業銀行業務と証券業務の分離を定めた「グラス・スティーガル法」に倣うべきだという。

 また、支配的プラットフォーム企業が自社サービスを優遇することを禁じ、競合のサービスや製品を同等の条件で扱うべきだとも報告している。アマゾンの場合は、米国のEC(電子商取引)市場で50%以上のシェアを持つと推測され、出店者が参加するマーケットプレースで支配的な力を乱用していると指摘。アップルについては、スマートフォン「iPhone」などのアプリ配信サービスで独占的な地位にあり、競合アプリを不公平に扱ったり、締め出したりして自社アプリを優遇しているなどと批判している。