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 米Amazon.com(アマゾン・ドット・コム)は2020年の年末商戦のEC(電子商取引)販売が過去最高になったと明らかにした。同年11月27日のブラックフライデーから同30日のサイバーマンデーまでで、出品業者の売上高は前年比約60%増の48億ドル(約5000億円)超となり、過去最高を更新した。10万ドル(1040万円)以上を売り上げた中小の出品業者は世界で7万1000社以上に上ったという。

 アマゾンは自社の直販分も含めた全体の金額を明らかにしていない。だが、米Adobe(アドビ)によると、アマゾンが最大のシェアを占める米国EC市場は、ブラックフライデーの支出額が前年比21.6%増の約90億ドル(約9400億円)で過去最高を更新した。サイバーマンデーは15.1%増の108億4000万ドル(約1兆1300億円)で、こちらも過去最高だったという。

正社員100万人の大台突破、米ウォルマートに次ぐ

 20年は在宅勤務や自宅待機の広がりでEC需要が急増し、アマゾンの物流業務が一時逼迫(ひっぱく)した。同社は対策として雇用や拠点を拡大。物流能力の強化を図ってきた。

 3月と4月には、北米の物流施設や配送ネットワーク、傘下の食品スーパー「ホールフーズ・マーケット」などで計17万5000人を臨時雇用した。5月末はこれら期間従業員の約7割に当たる12万5000人を正社員に登用すると発表。アマゾンの世界正社員数は6月末時点で87万6800人になった。

 9月には、北米の物流拠点で新たに正社員10万人を採用すると明らかにした。米国とカナダの発送・仕分けセンターや配送ステーションなどの業務に従事するフルタイムとパートタイム社員を募集した。同社は毎年、年末商戦前に期間従業員を募集している。しかし、今後もEC需要の伸びが続くとみており、20年は正社員を募集したと述べている。

 同社はオフィス職の採用も積極的に進めている。同じく9月には米国で大規模なオンライン就職説明会を開催。こちらは全米各地にあるオフィスや技術開発の拠点、本社などでエンジニアやマーケティング、人事、経理などの人材を募集するというもの。その募集枠は3万3000人だったが、その後の声明で38万4000件の応募があったと明らかにした。

 同社が先の決算発表で明らかにした20年9月末時点の世界正社員数は前年比50%増の112万5300人。初めて100万人の大台を突破した。10月には米国とカナダの物流拠点で10万人の期間従業員を追加採用することも明らかにした。同社はこれらの臨時雇用にも、福利厚生の機会や期間を定めない雇用への道を提供するとみられており、長期的な労働力の確保を図っている。

 米CNBCによると、アマゾンは世界のテクノロジー業界の中で最大規模の雇用主。米国の全業種の中では米小売り最大手Walmart(ウォルマート)に次ぐ第2位だという。

アマゾンが2020年に発表した主な採用計画
(出所:Amazon.com発表資料)
3月10万人の期間従業員採用
4月7万5000人の期間従業員採用
5月期間従業員12万5000人の正社員化
6月世界正社員数、87万6800人(期間従業員を除く)
9月3万3000人の正社員(オフィス職や技術職)採用
10万人の正社員採用
世界正社員数、112万5300人(期間従業員を除く)
10月10万人の期間従業員採用