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 改正後の5年間で、記述式論文の大まかな傾向は判明しました。選択科目によって多少異なりますが、論文構成や記述内容にはいくつかのパターンが見られます。この4―1節では2017年度の出題例を挙げながら、論文構成や記述内容について説明します。これらのパターンに沿って論述できるように練習すれば、筆記試験の当日には論文構成を短時間で組み立てられるようになるはずです。解答の枚数や題意が異なる選択科目II―1とII―2、IIIの三つの記述式論文についてそれぞれ解説します。

(1)選択科目II―1の論文

 主に専門知識が問われるII―1の論文では、答案用紙1枚に2、3の見出しを付けて記述します。文章だけが1枚続くのは読みにくく、試験官が内容を把握しづらいからです。見出しは可能な限り、出題文に書かれている用語を使います。このような構成なら受験者自身が書きやすいだけでなく、何がどこに書いてあるかが明確で、試験官も採点しやすくなります。

 このII―1で求められるのは主に専門知識ですので、問われていることをそのまま記述します。見出しが付いていますから、その内容に沿って知識を羅列します。文章表現の巧拙よりも内容的に網羅されていることが重要です。

 中には「留意点を二つ挙げて説明せよ」といったように、留意点を自分で考えて見出しに付けなければならない出題もあります。このような場合も含め、以下では代表的な二つのパターンと論文構成例を示します。自身の選択科目がどのパターンに該当するかを把握してください。

パターン1 出題文の内容から解答を大きく二つに分ける場合

 以下の例のように出題文が「また」などの接続詞で大きく二つに分かれる場合は、二つの大見出しを設けて答案用紙を二つに分けます。一般的には0.5枚ずつ書けばよいですが、内容の重要性で記述量の割合を変えてもかまいません。出題内容がさらに細分化されていれば、小見出しを使って分けます。

 以下の土質基礎の2017年度の出題では、前半の「発生メカニズム」と後半の「概要と留意点」の二つに分けてそれぞれ記述します。

II―1―3 土留め(山留め)掘削における盤ぶくれ発生メカニズムについて説明せよ。また、盤ぶくれ防止策を三つ挙げ、それぞれの概要と適用における留意点を説明せよ。

(土質基礎の2017年度の出題)

論文構成例
論文構成例
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 以下は施工計画の17年度の出題です。前述のように出題文が「また」などの接続詞で分かれていませんが、「掘削底面の安定に影響を与える現象」と「対策」の大きく二つが問われています。答案用紙を二つに分割した後、自分で考えて選択した「現象」の名称をそれぞれ見出しとして記述します。記述量は等分でなくてもかまいません。用語などが文中に明示されていない場合は自分で考えることになりますが、論文構成の方法は同じです。題意を踏まえ、出題文の表現をできるだけ盛り込むようにしてください。

II―1―1 土留め壁を設置する開削工事において、掘削底面の安定に影響を与える現象名を三つ挙げ、そのうちの二つについて、現象の概要と対策をそれぞれ述べよ。

(施工計画の2017年度の出題)

論文構成例
論文構成例
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パターン2 出題文の指示に従って三つ以上に分ける場合

 出題文の指示によって三つ以上に分ける場合は、それぞれ大見出しを付けて答案用紙を分割して記述します。先のパターン1で述べた構成方法と同様に、出題文の表現や用語をできるだけ用いて構成します。

 一般的には等分に記述するのが望ましいですが、内容の重要性で記述量の割合を変えてもかまいません。3等分する場合は、一つの見出しに対して7行ずつ書けばよいわけです。7行というと二つか三つの文章に相当する量です。以下は、17年度の都市計画の出題に対する論文構成例です。

II―1―3 建築物の規制・誘導等を行う次の制度について、それぞれの概要を述べよ。

 (1)景観地区

 (2)特定用途誘導地区

 (3)一団地の総合的設計制度(建築基準法第86条第1項に規定する制度)

(都市計画の2017年度の出題)

論文構成例
論文構成例
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