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(1)改正後5年間の出題傾向

 改正後の2013~17年度の都市計画の出題内容をテーマごとに類型化すると都市の「景観」、「交通」、「環境」、「防災・減災」、「都市運営」、中心市街地などの「市街地整備」、都市全体を対象とした「都市の再構築」の七つになります。2問から1問をそれぞれ選択するII―2やIIIでは、一つの問題に複数のテーマが含まれることもあります。下の表は、13~17年度の5年間の出題概要です。

問題番号 出題概要 分野
2017年度 II 1―1 都市計画における住民参加の背景とメリット、制度の概要 都市運営
1―2 都市再生特別措置法における道路占用許可基準の緩和の効果と留意事項 都市の再構築
1―3* 建築物の規制・誘導などの制度の概要 市街地整備
1―4 官民連携に資する手法の概要と都市公園に適用した場合の公園管理者のメリット 都市運営
2―1 高度経済成長期に大都市圏近郊で開発された大規模な住宅団地の再生の課題と解決策、実効性を高めるための工夫や留意事項 都市の再構築
2―2 密集市街地における防災上の課題と計画の手順、実効性を高めるための工夫や留意事項 防災・減災
III 1 人口減少と高齢化が進む地方都市で立地適正化計画を策定する際の課題と目指すべき都市像、計画で定める目標と方策、負の側面と対応策 都市の再構築
2 三大都市圏における市街化区域内で農地の保全と活用が求められる背景と効果、方策と負の側面および対応策 都市の再構築、都市運営
2016年度 II 1―1 都市再生特別措置法に基づくエリアマネジメントの推進に資する制度 都市運営
1―2 中心市街地における駐車場整備の考え方と適用される法制度 市街地整備
1―3 市街地再開発事業において民間の参画を促す制度と活用のメリット 市街地整備
1―4 地震時の各段階と平常時において都市公園が果たす役割 防災・減災
2―1 歴史的街並みを有する地方都市における景観計画の意義と手順および留意事項 景観、都市運営
2―2 地方都市圏の中核都市における鉄道新駅の建設と市街地整備の意義、計画の手順と留意事項 交通、市街地整備
III 1 健康寿命の延伸が課題の地方都市において、立地適正化計画によるコンパクト化の意義と検討項目、関係部署との連携と居住誘導区域内の居住者への考慮事項および対応策 都市の再構築
2 人口減少が進む地方都市における空き家の課題と方策、方策の負の側面と対応策 都市の再構築
2015年度 II 1―1 都市計画法に基づく都市計画の提案制度と地区計画 都市運営
1―2 良好な景観の形成に資する建築物の規制・誘導の制度 景観
1―3 都市交通の手法(デマンド交通、BRT、TDM)の導入目的 交通
1―4 都市の公園緑地や緑化に期待される役割と低炭素化に資する理由 環境
2―1 都心部の再整備における大街区化の効果と手順、公共施設の再編にあたっての留意点 市街地整備
2―2 大都市近郊の市街地において、防災を意識した都市づくりの計画と手順、実効性を高めるための工夫や留意事項 防災・減災
III 1 人口減少・高齢化の著しい地方都市における施設整備または市街地整備の見直しの背景と方策、負の側面と対応策 都市の再構築
2 都市再生特別措置法に基づく立地適正化計画の策定において、居住誘導区域を設定する際の検討事項と居住誘導の方策、居住誘導区域外の地区で考慮すべき事項と方策 都市の再構築
2014年度 II 1―1 エリアマネジメントの効果 都市運営
1―2 建築物を規制・誘導する方法や制度の概要 法制度
1―3 集約拠点がある駅周辺での自転車利用 交通
1―4 都市緑地法に定められた制度の概要 法制度、緑地
2―1 「歴史まちづくり」計画を策定するための検討事項と背景、手順、工夫や留意事項 歴史まちづくり
2―2 地方都市の市街地整備の方針策定における検討事項と手順、工夫や留意事項 集約拠点
III 1 人口減少と少子高齢化が顕在化しつつある地方都市の再構築にあたり、都市経営の課題と解決策、解決策に伴う負の側面と対応 都市の再構築
2 津波で被災した市町村の復興まちづくりにおいて実施すべき事業と意義、早期復興の課題と事業の進め方、事業推進上のリスクと対応 防災・減災
2013年度 II 1―1 景観形成に資する制度のうち、法律に基づく計画や規制・誘導措置、支援措置の特徴 法制度
1―2 密集市街地を改善する際の課題と解決策、公的賃貸住宅の役割 市街地整備
1―3 都心部の鉄道駅に隣接する拠点的な複合開発に関して交通計画を立案する際の方策 交通
1―4 都市の緑化を推進するにあたり、生物多様性を確保するうえで留意すべき事項 緑地
2―1 都市計画の変更を検証する場合に対象とする計画と背景、検証の手順と留意点 都市計画
2―2 中心市街地活性化のための課題と解決策、検討事項と留意点 市街地整備
III 1 津波に強い都市とするための課題と解決策、解決策を実施する際の問題点と対応 防災・減災
2 低炭素まちづくりの計画で目指すべき将来の都市像と実現するための方策、方策によって生じる負の影響と対処法 都市の再構築

* 2017年度のII―1―3の問題は出題文と論文構成例を掲載

 4問から2問を選ぶII―1は国の施策や法制度、技術系の用語に関する専門知識を中心とし、毎年度、幅広い領域から出題されています。ただし、解答に求められる内容は概要程度です。II―2は、すでに実施事例が多い計画や整備を対象に、その「背景」や「手順と内容」、「留意点」などを問う形が基本です。具体的な業務の進め方について問われる場合が多く、受験者の実務経験が論述する際のベースになります。

 IIIは、13年度と14年度は「都市の再構築」と「防災・減災」から1問ずつ出題されていましたが、15年度と16年度は2問とも「都市の再構築」がテーマでした。17年度は「都市の再構築」と「市街化区域内における農地の保全と活用」について出題されました。市街化区域内の農地の問題は、立地適正化計画における居住誘導区域外の市街化区域のあり方に関する問題だと考えれば、「都市の再構築」からの出題であると言えます。

 この傾向を踏まえると、18年度も「都市の再構築」を軸に都市計画上、時事性の高いテーマの出題が想定されます。ただし、我が国の都市計画の普遍的な課題として「防災・減災」は明確な位置付けを持つことから、都市の防災についても、ポイントを押さえておく必要があります。

この記事は日経コンストラクション技術士試験対策会員限定です