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(1)改正後5年間の出題傾向

 電力土木には大きく分けると計画、設計、施工、維持管理の4分野があります。以下は、改正後の2013年度から17年度までの5年間の出題概要です。II―1は4問から2問を、II―2とIIIは2問からそれぞれ1問を選択します。

問題番号 出題概要 分野
2017年度 II 1―1 フライアッシュを用いたコンクリートの特徴と使用時の留意点 設計
1―2 鋼製構造物の設計上の留意点 設計
1―3 発電所の取放水の管路や水圧管路における損失水頭の抑制策と留意点 計画
1―4 洋上風力発電の特徴と課題 計画
2―1 建設や維持管理の効率化を図る情報通信分野の技術と効率化の方策および留意事項 計画、維持管理
2―2 傾斜地や軟弱地盤などに建設する際に調査・検討すべき事項と課題、解決策と留意事項 計画
III 1 建設または維持管理における変状への初期対応と計測管理、変状の予測方法と対策および留意事項 計画、維持管理
2 発電所のリプレースや改造の内容と施工時の課題、方策と留意事項 施工、維持管理
2016年度 II 1―1 基礎の構造形式の例と設計上の留意点 設計
1―2 気候変動による影響と対応策 計画
1―3 発電所からの放流水による環境への影響と対応策 計画
1―4 津波の特徴と防波堤設計時の留意点 設計
2―1 電力施設の立地地点を選ぶ際の調査・検討項目と留意すべき事項 計画
2―2 建設または維持管理における施設や周辺地盤の挙動の計測方法、計測データを用いた安全性の確保またはコストダウンの方策および留意すべき事項 設計、維持管理
III 1 施設に甚大な影響を及ぼす自然災害のリスクと対応策、対応策で留意すべき事項 計画
2 アルカリシリカ反応によって劣化した施設の点検や調査および維持管理や補修の方法、実施時に留意すべき事項 施工、維持管理
2015年度 II 1―1 ライフサイクルコストの概念と算定時の留意点 計画
1―2 リモートセンシング技術の特徴 計画
1―3 地盤改良技術の概要と施工上の留意点 施工
1―4 水力エネルギーの有効利用の方策と課題 計画
2―1 保有すべき耐震性能と照査手順および留意点 設計
2―2 人材育成の現状と課題および解決策、解決策を実施する際の留意点 全分野
III 1 電力土木施設の経年劣化の事例、健全性確保の方法と実行時の留意点 維持管理
2 電力土木施設の計画や建設、運用の段階において環境に及ぼす影響と保全策、実行時の留意点 全分野
2014年度 II 1―1 限界状態設計法の概要と適用時の留意点 設計
1―2 基礎地盤の調査手法の概要と設計用の物性値を設定する際の留意点 設計
1―3 電力土木施設の建設や保守点検において開発・実用化段階の検査技術と開発の目的、特徴と課題 施工、維持管理
1―4 再生可能エネルギーを利用した発電システムのコスト低減策の概要と課題 計画
2―1 他の工事と調整しながら進める電力施設の新設または修繕工事において、施工計画時の留意点と手順、検討事項と工程管理上の考慮事項 施工、維持管理
2―2 電力土木施設の経年変化における作用外力と変状現象、保守計画の手順、対策時の留意点 計画、維持管理
III 1 海外での発電事業の計画や建設または運用段階における課題と解決策、効果と実施上の留意点 全分野
2 設計レベルを超える自然現象によるリスクと安全性評価に係る提案、留意点と対処方法 設計
2013年度 II 1―1 再生可能エネルギーを利用した発電計画の経済性を評価する手法の概要と留意点 計画
1―2 貯水池または調整池における堆砂の問題と対策技術の概要 計画
1―3 画像解析やGPS、レーザー計測などを応用した保守・点検技術の特徴と課題 維持管理
1―4 耐震性区分Iと同区分IIで確保すべき耐震性と該当する電気設備 設計
2―1 電力土木施設の建設計画で検討すべき事項や手順、地質に関連したリスクを回避または低減する方法 計画
2―2 電力土木施設の保守計画で検討すべき事項や手順、停電・断水の制約条件と考慮すべき事項 維持管理
III 1 電力土木施設の維持管理費を削減する際の課題とコスト削減策 維持管理
2 電力土木技術を継承していくための課題と解決策、解決策の効果と実施上の留意点 全分野

 計画や設計の分野からの出題が比較的多く、施工の問題は少ないようです。保守や点検などの維持管理についても毎年度、出題されています。17年度は、III―1で建設または維持管理における変状対策と計測管理について問われました。III―2では、発電所のリプレース(更新)や改造がテーマでした。

 維持管理や施設の運用に関連して、IIでは「保守・点検技術」や「検査技術」、「リモートセンシング技術」、「計測」なども取り上げられており、17年度は建設や維持管理の効率化をテーマに「情報通信分野の技術」について記述するよう求められました。これらの技術の動向についても押さえておきましょう。

 出題数が少ないので、専門以外の分野やテーマについても勉強する必要があります。計画系のテーマの場合は、国土交通省のウェブサイトに掲載された審議会などの情報を収集しておけば、論文をまとめるのに役立つでしょう。