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 口頭試験での想定質問を洗い出し、要領良く答えられるように準備することが有効です。以下では「経歴および応用能力」と「技術者倫理や技術士制度の認識その他」の二つの項目に分けて、想定質問と解答例、解答時のポイントや留意点などをそれぞれ示します。これらを参考に、自身に合った問答の台本を作るなどして、準備してください。

(1)経歴および応用能力に関する想定質問と解答例

 まずは、試問事項の中でも特に重要な「経歴および応用能力」に関する想定質問と解答例、答弁にあたって心がけておくべきポイントをそれぞれ示します。業務経歴票や課題解決能力を問う選択科目IIIの論文を基に試問されます。

 ●に続く想定質問に対して○が良い解答例や答え方、×が悪い例です。

(1)技術士資格の取得について

  • ● 技術士試験の受験の動機を教えてください。
  • ○ 技術士を取得して、さらに幅の広い高度な仕事がしたいからです。
  • × 我が社には技術士がいないからです。
  • × 今までの経験や実績などの集大成として受験しました。
  • ポイント あなたが技術士になる必要性を伝えることが重要です。今後の活躍に期待してもらえるような答弁を心がけてください。
  • ● あなたは現場の経験が少ないようですが、不安はありませんか。
  • ○ 少しでも多く現場に出向いて自分が検討した内容の結果をチェックし、勉強しています。
  • × 特にありません。
  • ポイント 試験官が試問する場合は何らかの懸念事項があるということですので、明快な解答を用意しましょう。
  • ● 発注者の立場のあなたに、技術士は必要なのですか。
  • ○ 受注者に指示をしたり、建設コンサルタントや建設会社などの技術を評価したりするために必要です。
  • × 退職した後のために、取得しておこうと考えました。
  • ポイント 技術士の資格がいますぐ必要だということを訴えるようにしてください。
  • ● では、技術士を取得したらどうしますか。
  • ○ より高度な仕事を担いたいですし、技術士の名に恥じないよう、自己研さんにも努めます。
  • × 後輩を指導したいと思っています。
  • ポイント 技術士の資格を今後の様々な業務に生かす点を強調してください。

(2)経歴や詳述した業務の内容

  • ● 今までの経歴を簡単に説明してください。
  • ○ 若いころは○○の業務が主体でした。近年は△△が多く、最近では□□の業務を担当しております。
  • × 一つひとつの業務を細かく延々と説明する。
  • ポイント 簡潔に述べるようにしてください。業務経歴票に書いてあることを繰り返し、説明する必要はありません。
  • ● 業務経歴票に詳述された業務の概要を簡潔に述べてください。
  • ○ 要点をかいつまんで、概要や問題点のほか、「どのように考えてこう解決した」といったように、考え方を強調して述べてください。
  • × 「業務内容の詳細」欄に書いてあることを暗記して読む。
  • ポイント 詳細欄に書き切れなかったことも含めて、ポイントのみを述べるようにしてください。
  • ● 詳述された業務の問題点は何ですか。
  • ○ 明確に一言で答える。
  • × 工事概要から延々と説明する。
  • ポイント ずばり問題点は何かを一言で話せるよう、準備しておきましょう。
  • ● なぜ、それが問題となったのですか。
  • ○ マニュアルや通常通りの方法ではできない理由を説明する。
  • × 地下水が多い、基礎地盤が軟弱など、設計条件の説明に終始する。
  • ポイント 設計条件は問題点ではありません。
  • ● その解決策を教えてください。
  • ○ マニュアル通りではない解決策を簡潔に説明する。
  • × 試験官が想定していた通りの一般的な解決策を述べる。
  • ポイント 試験官に「通常、誰でもそうしますよね」と言われないように注意してください。
  • ● この詳細欄に書かれている以外の対策は何か検討されましたか。
  • ○ 複数の解決策を挙げる。
  • × 無言、または具体的に答えられない。
  • ポイント 多面的に検討を加えていることがわかるように話してください。
  • ● どうしてその対策を採用しなかったのですか。
  • ○ 理由を明快に答える。
  • × 理由を説明できない。
  • ポイント 試験官に「そちらの対策の方がいいのでは」と指摘されないような理由を述べてください。
  • ● 詳細欄の対策によってどんな成果がありましたか。
  • ○ 明快かつ簡潔に、できるだけ定量的な成果を述べる。
  • × うまくいきました。
  • ポイント 工期を○日短縮、工費を○円低減、変位が○○mmの許容値に収まるなど、定量的に挙げられるようにしてください。
  • ● 現在ならば、どのような解決方法があると考えますか。
  • ○ 最近では○○工法も実用化されつつありますので、次回に同様な問題があれば採用したいと考えています。
  • × 無言、または具体的に答えられない。
  • ポイント 詳細欄に記載した対応策について、その後の技術開発や実用化の動向など、技術の進歩の状況も把握しておきましょう。
  • ● 今回のあなたが経験したことは今後、どのように発展するのでしょうか。
  • ○ 方向性や活用方法を明快に述べる。
  • × 現在では、別の方法が主流で……。
  • ポイント 経験や培った技術力を将来も発揮しなければ、技術士にふさわしいとは言えません。
  • ● 詳細欄に記述した内容が技術士にふさわしいと思われる理由は何ですか。
  • ○ 通常は当初の設計通りに施工してしまうところを、○○や△△があるのではないかと気づいて解決した点です。
  • × 困難な課題を解決したことです。
  • ポイント 通常通りの方法ではできない点を解決したことを強調します。

(3)課題解決能力を問う論文など

  • ● 筆記試験で書かれた課題解決能力の論文に関してお聞きします。このような考え方は、あなたの専門分野ではどのような面で応用できますか。
  • ○ ○○○は今後の低炭素社会の構築に□□や△△といった面で役立ちます。
  • × わかりません。
  • ポイント 答案で述べた提案が絵に描いた餅とならないように、新技術や政策の方向性に具体例も交えて解答できるように準備しておきましょう。
  • ● 論文で記述された手法について、最近の動向を説明してください。
  • ○ 近年では○○や△△の技術も実用化されています。
  • × わかりません。
  • ポイント 上記の解答と同様に、具体例や新技術の開発動向、政策の方向性も踏まえて説明するようにしてください。
  • ● あなたの専門分野における課題と将来性について述べてください。
  • ○ 開削工事の仮設はまだ汎用性が低く、その都度、現場の状況に合わせた計画が必要になります。将来は以後の工事計画なども加味し、共通して使用できる仮設を計画してトータルコストの低減を目指したいです。
  • × 解答できない。
  • ポイント 技術士の資格はゴールではなくスタートです。今後の抱負や自分の分野の将来展望を示す必要があります。

 ほかにも、専門分野に関する法律や技術用語に関して試問される可能性もあります。さらに、「専門とする事項」とは異なった分野に関する基礎的な知識に加え、応用能力に関する具体的な質問なども予想されます。