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人材や組織のソフト対策が欠かせない

 これまで述べてきたことをまとめ、次の3点を提言したい。

<1>ブラウンズフェリー1号機での事故対応をかんがみると、福島第一原発事故においても2、3号機で事故収束操作としてNRCの技術基準にのっとった原子炉圧力容器の減圧操作を少しずつ繰り返していれば、冷温停止に導けた可能性がある。いまいちど過酷損傷事故の事故収束の方法をよく検討すべきである。

<2>ブラウンズフェリー1号機と、福島第一の2、3号機の事故を正しく比較するには、両原発の原子炉格納容器型式、余熱除去系機能有無の相違に起因する影響を過酷炉心損傷事故計算コードなどで詳細に検討しなければならない。たとえ費用がかかっても、事故対応力を高めるには徹底的な原因究明をすべきである。

<3>過酷炉心損傷事故に対応できるプロのエンジニアが必要である。原子力規制委員会は、原発のハード対策のみならず、同じウェイトで人材育成も含めたソフト対策にも重きを置いて審査を実施すべきである。

■参考文献
1)東京電力編、『福島原子力事故調査報告書』、2012.
2)R.L. Scott ; Browns Ferry Nuclear Power Plant Fire on March 22, 1975, Nuclear Safety, Vol.17, No.5 (1976).
3)桜井淳、『原発のどこが危険か』、朝日選書、1995.
4)東京電力編、『福島第一原子力発電所 東北地方太平洋沖地震に伴う原子炉施設への影響について』(http://www.nsr.go.jp/data/000024969.pdf),2012. 5)D.H. Cook, et al. ; Station Black-out at Browns Ferry Unit One- Accident Sequence Analysis-, NUREG/CR-2182, Vol.1,1981.