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はじめに

 2014年3月、突然、静岡県危機管理部原子力安全対策課の担当者から筆者に、静岡県防災・原子力学術会議原子力分科会委員の就任について打診があった。迷ったものの、四半世紀前に通産省(当時)管轄の原子力工学試験センター原子力安全解析所において、同県にある浜岡原子力発電所4号機の安全審査の解析に携わっていたこともあり、倫理の問題として最後まで責任を負わねばならないと考えて引き受けた

 原子力施設が設置されている都道府県には、住民の安全を確保するための検討を担う原子力安全対策委員会やそれに相当する委員会が設置されており、それらは自治体の諮問組織や助言組織になっている。しかし、静岡県防災・原子力学術会議はそれらとはやや異なり、静岡県民の防災・原子力の的確な理解を助けるために設置された組織というのが、同会議の全議事録を熟読して筆者が得た結論である。

 その静岡県防災・原子力学術会議の具体的活動として、静岡県危機管理部原子力安全対策課のアレンジの下、静岡県原子力防災センターと浜岡原子力発電所(浜岡原発)の調査・見学(2016年8月5~6日)、および原子力防災訓練の調査・見学(2017年2月9~10日、2018年2月15~16日)が開催され、筆者も委員として参加した。

 浜岡原発を抱える静岡県の防災対策は、さまざまな項目において日本でトップクラスと言える。南海トラフ地震の可能性があるため、原子力防災施設と実施訓練内容は総じて優れており、日本のみならず世界の参考になると考える。上記調査・見学に参加した記録と感想を記す。