「省エネ住宅」のメリットを顧客にうまく伝えるにはどうしたらいいか。そのヒントを探るべく、住宅ライター歴25年の筆者がネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)のモデルハウスへの宿泊体験を敢行することに。夕方から翌朝までの「住み心地」を本音でレポートする。今回はその前編を紹介する。
2月5日、今日も寒い。筆者こと、ライターのワタナベは、省エネ住宅の快適性をチェックするため、環境省が実施した「COOL CHOICE ZEH体験宿泊事業」に協力しているモデルハウスに1泊することになった。
泊まるのは相羽建設(東京都東村山市)のモデルハウス「つむじ」だ。2015年に建築家の伊礼智氏が設計し、相羽建設が施工した。ZEH基準を満たす断熱性能を持つ建物だ。
前回は宿泊前に、同モデルハウスの性能などについて話を聞いた(「からくり仕掛けの断熱窓で快適性を生む工夫」を参照)。そして再び、モデルハウスのある東京都東村山市にやって来たというわけだ。
「ZEH」とは「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略称で、省エネ住宅の一種だ。建物の断熱化や設備の省エネ化で消費するエネルギーを抑えるだけでなく、太陽光発電システムでエネルギーをつくり出す、いわゆる創エネを組み合わせることで、消費エネルギーを年間で差引き正味ゼロにする。
この省エネ住宅で私に課せられたミッションは、(1)室温・外気温を記録する、(2)決められたスケジュールに従い食事や入浴をする、(3)快適性を確認する、という3点。省エネ住宅と築20年の木造住宅を比較するために、この日は、日経 xTECHのYデスクも自宅(築20年の木造住宅)に待機し、こちらと同じように室温を記録することになっている。もちろん、Yデスクも同じタイミングで夕食や入浴をする。