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 神戸製鋼所の品質偽装、日産自動車の不正検査問題に端を発した最近の「品質クライシス」は、企業の品質管理部門がしっかりしていないからだ、という議論が世の中には多いように思います。しかし、品質管理部が単独でがんばって、一連の品質クライシスを本当に解決できるのでしょうか。私にはそう思えません。

 確かに、今の企業では品質管理部は元気がありません。品質クライシスについて報じた日本経済新聞の記事(2017年12月14付け)によれば「工場の品質保証部の部課長が品質の担当であるにもかかわらず検査ラインの日々の作業や人繰りをつかんでいない例も見られた。工場の実情を理解しようとする姿勢がそもそも欠けていた」という記述があります。

 つまり、品質保証部の方がもっとしっかりしなければいけない、というように受け取れます。それはそうだと思う半面、この記事を見たときにCTO(Chief Technology Officer)、つまり企業の技術部門の責任者に当たる人は、自分には原因がないと思ってしまうのではないでしょうか。これがおかしいと思います。世の中の認識では、品質問題は品証部門の問題であってCTOにはあまり関係がないとされているようですが、この認識こそが日本を揺るがす本当の問題なのです。

経営・ものづくり・ITアドバイザー(アーステミア 代表取締役)の森岡謙仁氏
経営・ものづくり・ITアドバイザー(アーステミア 代表取締役)の森岡謙仁氏
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