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プロジェクトの組織は既存の組織と異なる

 プロジェクトの組織には、例えばメカ(機構設計)チーム、エレ(電気電子設計)チーム、ITチーム、マーケティングチーム、試作・量産化チーム、販促チームなどが加わります。これがプロジェクトチームです(図2)。それで、メカチームには技術部門と製造部門から人が来るとか、販促チームにはマーケティング部のAさんと営業部のBさん、それに技術部のCさんも加わって、というように構成する。これがプロジェクトチームなのですが、そういう認識が世の中には非常に乏しいのです。

図2 プロジェクトの正しい組織図
図2 プロジェクトの正しい組織図
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 前者は機能別の縦割り組織で、多くのメーカーで基本となっている組織形態です。後者は、新製品開発に必要なプロセスに沿って構成され、それに必要な人材を集めます。前者では、例えば製造部の人にとって自分が今ラインで造っているものが商品の中にどう組み込まれてどう役立つのか、頭に浮かばないのです。既存の商品のための部品か、新しい商品のために造っているものなのかの区別さえつかないと思います。ですから気持ちが入らないし、だれも責任を持たない。新製品開発の最終工程でうまく合わなくなってしまいます。途中での擦り合わせがうまくできないからです。

 プロジェクトチームに編成しておけば、それぞれの部署から大事な人が集まってくるから、個別のチームの中で既にクロスファンクショナルになっています。新製品開発での自分の位置付けがはっきりするし、チームのメンバー間ですぐ擦り合わせができます。

 それだけ、今の日本メーカーではプロジェクトチームというものが理解されてない、教えられてないということです。よく、口ではプロジェクト、プロジェクトと言う人が多いのですが、これが実態です。びっくりしましたし、これはいけないなと思います。

 企業の組織といえば機能別縦割り組織という認識が浸透しきっていますから、製品開発プロセスに応じた役割分担の組織に対する理解がものすごく悪い。チーム単位で、機構設計は我々がやりましょうとか、試作や量産化はうちらのチームで担当しますとか、そういう動き方に対する認識がない。それを説明するのに、講座でも1時間以上かかりますし、苦労するところです。最近の「品質クライシス」の根本原因も、実はここにあるのではないかと思っています。

 逆に、ここをきちんと分かってもらえれば、講座の目的の半分は達成できるような感じがしています。あとは具体的にどうやるかという話が必要ですけれども、プロジェクトチームの概念の認識がはっきりできれば、意識改革はできると思います。意識改革、仕事の改革、職場の改革と進んでいく第一歩です。でも、この話は繰り返し講義して、演習でも取り扱って、受講者自ら口に出していえるようなところまで持っていかないとダメで、そのために1日だけではない何日間かのコースにしています。