笹子トンネルの天井板崩落事故、姉歯事件、品質データ偽装、新幹線台車亀裂問題、コインチェック不正流出問題・・・。ものづくり、建設、ITの各業界において世間を大きく騒がせた大事故やトラブルを受け、企業の取り組みや制度・ルールはいかに変わったのか。過去の事故・トラブルは今、どのような形で生かされているのか。
事故やトラブルの根本原因は、分野や業界を問わず共通であることが多い。他業界でのトラブル・事故収束の取り組みは自社のトラブル解決の大きなヒントになる。世間を騒がせた重大な事故・トラブルの教訓とは――。専門記者が徹底的に掘り下げるとともに未来を展望する。
専門記者座談会（最終回）
ものづくり、建設、ITの各業界において世間を大きく騒がせた大事故やトラブルを受け、企業の取り組みや制度・ルールはいかに変わったのか。過去の事故・トラブルは今、どのような形で生かされているのか。世間を騒がせた重大な事故・トラブルの教訓とは――。専門記者が徹底的に掘り下げるとともに未来を展望する。
専門記者座談会（10）
世間を大きく騒がせた大事故やトラブルを受け、企業の取り組みや制度・ルールはいかに変わったのか。今回（第10回）は、三井化学岩国大竹工場の爆発事故やスルガ銀行と日本IBMのシステム構築失敗を巡る訴訟などを取り上げ、技術の伝承という難しい課題にいかに向き合っていくべきかを議論した。
事故・キーワード解説
2008年3月6日、スルガ銀行が勘定系システムの開発中止の責任を巡り、発注先の日本IBMに約111億円（後に116億円に増額）の支払いを求める訴訟を起こした。発注者と受注者の責任を契約で明確にする必要性を日本全体が痛感した裁判が始まった。
事故・トラブル キーワード解説
2012年4月22日午前2時15分ごろ、三井化学岩国大竹工場（山口県・和木町）で大音響とともにプラントの一部が爆発した。爆発したのは、タイヤの接着剤などに使われるレゾルシンを製造するプラントの酸化反応器。付近にいた社員らが巻き込まれ1人が死亡し、工場内にいた9人が重軽傷を負う大惨事となった。
専門記者座談会（9）
世間を大きく騒がせた大事故やトラブルを受け、企業の取り組みや制度・ルールはいかに変わったのか。第9回は、空港滑走路地盤改良の偽装施工やなどから事故・トラブルにおける隠蔽体質に切り込む。
事故・トラブルキーワード解説
羽田空港、福岡空港など国内主要空港の滑走路や誘導路の地盤改良工事で、施工を担当した東亜建設工業が計測データの改ざんなどを図って施工不良を隠ぺいしていたことが、2016年に発覚した。
事故・トラブル キーワード解説
米ウーバーテクノロジーズ（Uber Technologies）が実験中の自動運転車が2018年3月18日午後10時ごろ（米国時間）、米アリゾナ州テンピ市での公道テスト走行中に歩行者をはね、死亡させた。自動運転車が歩行者をはねて死亡させた事故はこれが初めてである。
専門記者座談会（8）
世間を大きく騒がせた大事故やトラブルを受け、企業の取り組みや制度・ルールはいかに変わったのか。今回（第8回）は、東京証券取引所（現日本取引所グループ）の株式売買システムのトラブルや、自動運転車の人身事故を題材に、社会は重大事故・トラブルとどう向き合うべきかについて議論した。
事故・トラブル キーワード解説
2005年12月8日午前9時27分56秒、みずほ証券の担当者はその日に東証マザーズに新規上場したジェイコム（現ライク）株について「1株61万円」の売り注文を「61万株1円」と誤発注した。使っていたのは東京証券取引所（現日本取引所グループ）の株式売買システムだ。
2018年1月26日午前0時2分13秒。仮想通貨交換業者であるコインチェックが持つ仮想通貨「NEM（ネム）」の口座（アドレス）から資産の流出が始まった。顧客から預かっていた580億円相当のNEMが流出し、その量は同社が保有するNEMのほぼ100％だった。
専門記者座談会（7）
第7回は、福島第一原発事故や沖ノ鳥島沖転覆事故、全日本空輸のシステムトラブルなどから、事故・トラブルにおいて「想定外」をどう捉えるべきかを考える。
事故・キーワード解説
全日本空輸（ANA）は2016年3月22日、予約や搭乗を管理する国内線の旅客システムにシステム障害を起こした。同障害で搭乗手続きなどに支障が生じ、翌23日にかけて539便が欠航・遅延。合計で約7万2100人が影響を受けた。原因はDBサーバーをつなぐ米シスコシステムズのスイッチの故障である。
専門記者座談会（6）
住宅設備や家電設備などでは、適切なメンテナンスを行わなければ事故に至るリスクが増す。太陽光発電設備の発火や飛散事故、家電製品のリコールなどを基に、実効性のある点検や利用者把握の仕組みを考えてみた。
キーワード解説
太陽光発電システムを搭載した住宅で、躯体が著しく延焼する火災が発生したり、台風などの強風時に太陽電池パネルが飛ばされたりする事故が散見されている。
事故・トラブル キーワード解説
2005年に松下電器産業（現パナソニック）製のFF式石油温風暖房機で、一酸化炭素（CO）による中毒事故（死亡2人、重軽傷者7人）が相次いで発生した。
専門記者座談会（5）
中央自動車道笹子トンネルの天井板崩落事故、東京都港区のマンションに設置されていたシンドラー社のエレベーターで生じた挟まれ事故。いずれも死者を出す悲惨な事故となった。事故の背後にはメンテナンスを軽視する風潮が見え隠れする。
キーワード解説
2006年6月に東京都港区の集合住宅において、エレベーターのトビラが開いたままでかごが上昇（戸開走行）し、降りようとしていた高校生がかごの床と乗り場（建物）の天井に挟まれて死亡した事故。エレベーターの製造元がシンドラーエレベータ（本社東京）だった。事故原因は、かごを制止するブレーキを作動させるソレ…
事故・トラブル キーワード解説
2012年12月2日に中日本高速道路会社が管理する中央自動車道の笹子トンネルで発生した天井板の崩落事故。9人の死者を出す惨事が浮き彫りにしたのは、日本国内でインフラの老朽化が進んでいることと、そうしたインフラに対して点検や補修といった維持管理が十分に実施されていないという実情だった。
事故・トラブル キーワード解説
2009～2010年に、トヨタ自動車が北米や日本を中心に大量リコールに迫られた問題。2009年に北米で「レクサス」が暴走して4人が死亡する事故が発端となった。トヨタ自動車は、フロアマットが踏み込んだアクセルペダルの戻りを阻害する場合があるとして、米高速道路交通安全局（NHTSA）にリコールを届ける…
専門記者座談会（4）
ものづくり、建設、ITの各業界において世間を大きく騒がせた大事故やトラブルを受け、企業の取り組みや制度・ルールはいかに変わったのか。過去の事故・トラブルは今、どのような形で生かされているのか。世間を騒がせた重大な事故・トラブルの教訓とは――。専門記者が徹底的に掘り下げるとともに未来を展望する。第4…
