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 ずばり、今回のIT職場あるあるは、IT部門やITベンダーのみならず、むしろ人事部門の責任者や担当者に読んでほしい/読ませてほしい。

 「DXを経営トップや役員から丸投げされたあげく、開き直られる」
 「現場からは非難ごうごう。四面楚歌(そか)。誰も協力してくれない」
 「そもそも役員や社員のITリテラシーが低すぎて、そのお守りが大変だ」

 いずれもDXや組織変革を、会社から丸投げされたIT部門や変革推進組織の責任者・担当者の悲痛な叫び声である。筆者はこの手の相談を連日のように、大企業病のドクターであるかのように受けている。

 断言する。DXはIT部門だけに丸投げして解決するものではない。とりわけ人事部門との連携、および人事部門の変革が肝である(もちろん、経営陣の変わる覚悟、変える覚悟が必須なのは言うまでもない)。

 強い言い方をすれば、「ヘタレな人事部門」がDXや組織変革を前途多難にする。今回、ITの問題を入り口に、人事部門とどう連携してDXや組織変革を前向きに導くか、厳しめなトーンでつづる。なんならこの記事のリンクをそのまま社内展開(転送)し、経営層や人事部門に読ませていただきたい。

DXをIT部門に丸投げする組織の問題地図
DXをIT部門に丸投げする組織の問題地図
(出所:あまねキャリア)
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DXや変革に取り組もうとすると、必ず人の問題に直面する

 DXも組織変革も、ある意味で取り組みがいのあるチャレンジングなテーマであり、ある意味では「貧乏くじ」である。

 今までの仕事のやり方や組織カルチャーを抜本的に変える。聞こえはいいが、その道のりは前途多難だ。レガシーな組織、高齢化が進んだ組織であればあるほど、さまざまな無関心・抵抗・嫌がらせに遭う。正直、面倒臭いだろう。

 経営陣はその面倒な役回りを引き受けてくれただけでも、IT部門や変革推進担当者に感謝すべきだが、往々にして丸投げだけして知らん顔をする。組織内の抵抗勢力に向き合おうともしない。DXにせよ、組織変革にせよ、経営マターでありトップオーダーであるにもかかわらず、経営陣が人ごととはこれいかに?