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 オンラインミーティングもビジネスチャットも許されない。そのような環境で、自分たちが時代遅れの仕事のやり方しかできない残念な人間になってしまわないか。その危機感は極めて健全である。

 従業員だけではない。スピード感をもって仕事をしたい取引先にも迷惑がかかる。あなたたちがアナログあるいは旧式のデジタルなやり方なために、レスポンスや意思決定が遅い。いつまでたってもスケジュール調整が進まない。そのアイドリング時間は、取引先にとっての機会損失である。やがて、正しく成長したい取引先からもそっぽを向かれる。

デジタルワークシフト、それは企業の社会的責任であると心得よ

 もうお分かりであろう。デジタルワークシフトは、社会と未来に対する企業の責任である。

 イケていない仕事のやり方は、従業員の未来において雇われ得る力、すなわち「エンプロイアビリティー(Employability)」を下げる。成長欲求や危機感のある人ほど、自身のエンプロイアビリティーが下がる環境では仕事をしたいと思わない。すなわち、モチベーションやエンゲージメントも下げる。若手は経営者や部門長にこれからの人生を台無しにされるわけにはいかないのである。

 イケている企業ほど、イケていない企業と長く仕事をしたいとは思わない。また、テレワークできるのにしない企業は、無駄に交通混雑を発生させたり、災害時にも出社させたりするなど地域社会にとってもよろしくない状況をつくり続ける。なにより、そんなことを続けていると国としての競争力が下がる。日本の生産性が、世界各国に比べても極めて低い位置にあることは筆者が改めて語るまでもないであろう。