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 2021年11月、インターネット上で「無能上司のせいで、在宅勤務が終了することになった」というタイトルのブログ記事が注目を集めた。

 あるIT企業(システムインテグレーター)の社員と思われる人物が書いた記事だ。新しく着任した部長(以下「新部長」と表記する)がリモートワーク否定派。その鶴の一声で、2021年12月からリモートワークが終了・禁止になり、週5日の出勤が義務付けられたという。

「残念だがよくある話」「マネジメント職として不適格」――共感の声が多数

 筆者はリモートワークを絶対視するつもりは毛頭ない。しかし様々な状況を勘案しても、この新部長の振る舞いは「IT企業」の「上級管理職」としていかがなものかと思う。

 以下、ブログ記事の内容を要約する。

 ブログ主の所属している事業部は1年半以上リモートワークを行ってきた。前任の部長が、Slack、Zoom、kintoneなどの導入と活用およびルール整備などを積極的に行いオンラインで業務が遂行できるようになった。出勤から在宅勤務に切り替えても売り上げは右肩上がり。ほとんどのメンバーがリモートワークをポジティブに感じていた。

 ところが、新部長着任後この職場に暗雲が垂れ込め始めた。この新部長の態度は以下の通りである。

  • Slackでの報連相にレスをせず、電話で返してくる
  • 情報共有のために、この上司からの電話の受け手が通話内容をSlackに書き込む必要がある
  • 「入力が面倒くさい」「テキストでうまく日本語を伝えるのは苦手だから電話したほうが早い」「そもそも情報は受け手が整理すべきもの。お客さんとミーティングした時にお客さんに議事録書いてって言わないでしょ?」のような理由で、Slackを使いこなそうとしない
  • WordかPowerPointの資料にしないと、部下からの確認依頼や報告に応じない
  • kintoneを見るよう促したところ、拒絶された。「俺は君の上司なんだよ。上司がすぐに判断できるように体裁を整えるのが部下の仕事じゃないの? なんで君が楽しようとしてるの?」「そういうのデジハラって言うらしいよ? 今のご時世だと一発アウトだからやめといたほうがいいよ」
  • その割に、新卒の女性社員にはSlackのダイレクトメッセージを送り食事に誘っている

 この新部長、さすがにどうしたものかと、部下であるメンバー同士で頭を悩ませていたところ、冒頭のリモートワーク終了・禁止のお触れが発せられたという。

 その理由の一つが「10月に残業が増えている」とのこと。しかしブログ主によると、残業の内訳は新部長への説明資料作成やらSlackへの代行記入のような無駄な間接業務であるとのことだ。残業の原因をつくっているのは、ほかならぬこの新部長なのである。