システム開発プロジェクトでは、関係者からメールや電話で質問や依頼がどんどん飛び込んできます。それらの応答を間違えると、作業が停滞してしまったり、先方の怒りや誤解を招いてしまったりします。その結果、割り込み仕事に時間を食いつぶされてしまいかねません。
じっくり対応する余裕がないとき、反射的に応答しながら、やり取りを停滞させないことが大事です。それには、質問や依頼への応答の「型」を身につけ、的確な応答ができる反射神経を養いましょう。コツは次の三つになります。
(1)スピーディーに返す
まず、原則として24時間(1営業日)以内に一次回答する習慣を作りましょう。「検討もせずに回答するのは危険ではないか」と思うかもしれません。確かに、検討を要する問い合わせや、安易に結論を出せない課題などもあるでしょう。
しかし、ここで言っているのは「一次回答」です。「検討に時間を要しますので、来週返信します」といった期限の提示や、「ご依頼内容を詳しく確認したいので、30分程度お時間を頂戴できませんか」といった検討プロセスの依頼などを含めて、「素早く応答する」癖をつけましょう。
それには、三つの理由があります。
第一に、「受領連絡」です。メールや伝言で連絡する場合、問い合わせや依頼を、受け手が確実に受け取ったことを確認できません。メールは見過ごすことがありますし、伝言は伝わらないこともあります。発信者は、「急ぎの用事なんだけど、ちゃんと伝わっただろうか」という不安を抱いています。「受領応答が帰ってくる」という安心感を、発信者に与えましょう。
第二に、「期限観の共有」です。期限観が曖昧だと、トラブルの基になります。受け手は「この話なら対応は今月中ぐらいでいいはず」と思っていても、相手は「ぜひとも今日中にも知りたい」と考えているかもしれません。期限の明示は双方の責任と割り切って、「期限の案」を返信しておくことが有効です。
第三は「手離れ」です。特に要求が曖昧で材料が不足している場合は、こちらの責任で検討が遅れる状態に陥らないようにします。「詳細情報をいただけませんか」といった形で先方に準備を依頼できれば、時間の節約にもなります。