システム開発におけるプロジェクトマネジメントで、スケジュールや予定の管理は最も重要な管理活動の1つです。しかし、若手のエンジニアには、自分の予定の管理すらままならない人が少なくありません。
時間は、最も公平なリソースだと言われます。新人であろうとベテランのプロジェクトマネジャーであろうと、誰にとっても1日は24時間割り当てられています。公平に割り当てられているはずなのに、なぜ毎日、時間が足りないと目を吊り上げ、「予定通りに仕事が進まない」と嘆くことになるのでしょうか。
結論から言えば、「時間がない」という認識自体が間違いです。時間がないのではなく、自分の持っている時間に対してやることが多すぎると捉えるべきでしょう。予定を守るには、自ら空き時間を作ることが肝心です。そのための三つのコツを知っておきましょう。
(1)バッファーを確保する
仕事に使えるのは1日何時間と考えていますか。もしも1日7時間、1カ月20日だと考えているとしたら、あなたは「時間がない」症候群の予備軍です。
プロジェクトには、突発事態や割り込み作業がつきものです。プロジェクト外の急ぎの業務や体調管理、私用などに時間を使わなければならない事態も起こるでしょう。あなたのスケジュール表には、それらをこなすためのバッファーが組み込まれているでしょうか。
1日7時間を、最初からフルに埋めてしまっては、バッファーどころではありません。仕事に集中できる時間は、1日当たり5時間から6時間ぐらいと構えておかなければ、ごく普通に毎日残業することになってしまいます。
(2)予定を大事にする
バッファーを含めて、一度立てた予定を大事にしましょう。もっと具体的に言うと、上司や顧客などの「エライ人」に、安易に予定を崩されないようにしましょう。
「ちょっと急ぎの件なんだけど、今日の昼イチ空いてる?」といったリクエストが来ることがあります。「慌てて客先に飛んで行ったのに、電話で済むぐらいの話で、大した用件ではなかった」という話はよくあります。相手が誰であっても、自分の予定は大事にしてください。それは、仕事に真剣に取り組んでいる証しであって、上司や顧客に叱られる筋合いのものではありません。
「はい、わかりました」と答える前に、「昼イチは急ぎの作業が入ってまして。時間のかかるお話でしょうか」と切り返してみましょう。それだけでは無愛想すぎるということなら、「明日の午前中では間に合いませんか?」「何の件かだけでも、今承っておきましょうか?」などと言葉を添えてもいいでしょう。
もし、「手っ取り早くこの場で言っておくね」とか、「それほど急ぎじゃないんで、後でメールで送るよ」というリアクションをもらえれば、あなたは自分の予定を崩さずに済むわけです。いつもうまくいくとは限りませんが、自分の予定は自分でガードしないと、誰も守ってくれません。