システム構築では、人との対話が必ず発生します。コミュニケーションを円滑にすると、技術力も開発生産性も何倍にも高められます。

 コミュニケーションパスには「顧客(ユーザー)」「社内の上司/部下」「パートナー」「外部」があります。ここでは、若手エンジニアには難易度の高い「顧客」との対話をあえて取り上げます。昨今、経営層の“攻めのIT”への期待から、ユーザー部門が直接ITを管理する企業が増えており、ITエンジニアには「事業目線でのIT化の検討」や「ITが苦手なユーザー部門との対話」が一層求められるようになっています。

 究極のコミュニケーションとは「自分の伝えたいことを100%相手に伝え」「相手の伝えたいことを100%聞き出す」ことでしょう。伝えることに自信が持てると、聞き出すことに意識を集中できます。聞き出すことはテクニックよりも、相手から自然と話を聞き出せる関係性作りが重要になります。こうした対話スキルの基礎を解説します。