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 ITエンジニアには、打ち合わせでユーザーと議論を交わす場面が数多くあります。ユーザーとの議論においては、「ISSUE」を明確にすることが重要です。

 ISSUEとは、「答えるべき問い、議論すべき問い」を指します。ITエンジニアの仕事では、「複雑な要件を整理する」「緩い要件を形にする」といったことを求められます。そのためISSUEの定義が難しく、打ち合わせは難易度の高いものになりがちです。ISSUEがズレていると、意味のない議論になりかねません。

 ISSUEの捉え方について、ビル管理を例に考えてみましょう。

 ビルの管理者が「エレベーターの待ち時間が長いから、なんとかしてほしい」というクレームを多く受けたとします。対策には「エレベーターの数を増やす」「エレベーターの速度をアップする」など、ハードウエアを改善することがまず思いつきます。さらに「エレベーターの利用者数を減らすために階段を推奨する張り紙を付ける」など、待ち時間を減らす対策も思いつくでしょう。

 しかしこのISSUEを「待ち時間に対する不満を改善する」と捉えるとどうでしょうか。例えば「テレビを設置する」「待ち時間に応じてポイントがたまる」など対策範囲が広がります。このように、ISSUEを何にするかで議論の内容も範囲も変わってくるのです。

ISSUEを何にするかで議論の内容や範囲が変わる
ISSUEを何にするかで議論の内容や範囲が変わる
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