ITエンジニアには、ある程度人数がいる場で話す機会が多くあります。その際に必要となる対話のポイントを知っておきましょう。
コミュニケーションには、次のような3段階のレベルがあります。
- レベル1:自分の伝えたいことを分かりやすく伝える
- レベル2:相手の背景や状況を理解しながら話を聞く
- レベル3:場を俯瞰して掌握する
レベル1と2は人との対話の基本であり、1人または少人数の相手とのコミュニケーションで大事なポイントです。相手が多人数の場合は、レベル1と2に加えて、レベル3の「場を俯瞰して掌握する」というスキルが重要になります。それにより、大勢を相手にした対話のベクトルを合わせていきます。
場を掌握するには、対話の場面ごとにさまざまな対応の仕方があり得ます。ここでは「プレゼンの場」「研修の講師のような場」「プロジェクトのキックオフなどメンバーに方針を伝える場」「複数の出席者がいる顧客との打ち合わせの場」という4種類の場面でのポイントを順に見ていきましょう。
(1)プレゼンの場
自分が話しているときの聞き手の一人ひとりの反応をよく見てください。その上で、聞き手が興味ある話を最初に持ってくるようにし、興味を早く引き付けましょう。相手の興味が明確でない場合には、興味がありそうな話題を複数持っておくことが重要です。
(2)研修の講師のような場
ITエンジニアはユーザーに対し、操作説明など研修講師のような立場で話をすることがあります。参加者は立場がさまざまで、全員にやる気があるとは限らず、話を聞いてもらうだけでも容易ではありません。
全員に話を聞いてもらうには「場を緊張させる」「褒めて自然に話を聞いてあげようという気を引き出す」といった方法が有効です。