ITエンジニアが顧客であるユーザー企業の担当者とコミュニケーションする場合、自社とユーザー企業、つまり組織と組織の対話が目的です。この場合、対話相手の組織に対するコミュニケーション計画が大事です。具体的には、相手の組織における個人の特性を見える化し、組織全体に対しての情報の伝え方や聞き出し方を計画することです。
全ての対話スキルに共通して重要なのは、相手の特性を知ることです。相手がどんな人かによって、伝え方も聞き方も変わります。相手の特性を基に、コミュニケーション図を作成する方法を知っておきましょう。
コミュニケーション図とはその名の通り、コミュニケーションを取る相手との関係を表した図です。ビジネスにおける個人の特性には「立場」「関係性」「知識」「性格」があります。100人いればそれぞれの立場、関係性、知識、性格があり、これを見える化すればコミュニケーションを効率的に進められます。
立場は、組織図や役職からすぐに分かるので、まずはここから作成していきましょう。全員を書き出すのは難しいので、自分が直接やり取りする相手やステークホルダーを中心に書き上げます。
次に、書き出した人についての関係性を整理します。部署間の関係性、個人間の関係性、自社との関係性、それぞれが「良好、険悪、中立」を確認しながら、組織図に追記していきます。
続いて、知識レベルを整理します。特にシステムの知識レベルがどのくらいかや、担当業務の知識レベルは重要になります。漏れのないように追記していきます。
最後に性格です。書き方にこれといった決まりはありません。例えば「細かい、粗い」「○○にこだわる」「モチベーションが高い、低い」「計画的、臨機応変」「自分で決めたいタイプ、決めてほしいタイプ」「新しいもの好き、保守的」「自尊心が高い、低い」「大胆、慎重」などが挙げられます。
作成したコミュニケーション図のイメージを以下に示します。