日進月歩で進化するIT業界。
未来を知るには、時には過去に目を向けることも有効だ。
1981年以降に起こったIT関連の出来事を振り返り、歴史から教訓を学ぼう。
IT事件史
目次
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仮想通貨が大量流出した2018年、7payが3日で頓挫した2019年
2018~19年
フィギュアスケート羽生結弦選手が五輪連覇を決めた2018年。そして元号が平成から令和へと変わった2019年。IT業界は仮想通貨とキャッシュレスを巡って揺れ動いた。
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MSX巡り2人の「神童」が争った1983年、都銀は3次オン開発
1983年
1983年はアスキー(当時)と米マイクロソフトが提唱した家庭用パソコンの統一規格「MSX」が登場した年だ。MSXを巡っては当時「神童」と呼ばれた20代の著名企業家が激しく火花を散らした。都市銀行による第3次オンラインシステムの開発が本格した年でもあった。
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「Σ計画」失敗が判明した1990年、DOS/Vがひっそり誕生
1990年
バブル経済の好景気が陰りを見せ始めた1990年。国家プロジェクトだった「ソフトウエア生産工業化システム構築計画」、通称Σ計画が失敗に終わり、日本IBMは「DOS/V」を発表した。バブル経済に沸いた「ジャパン・アズ・ナンバーワン」の栄光は次第に陰りが見え始めた。
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「WannaCry」がまん延した2017年、ランサムウエアの影にビットコイン
2017年
米国でドナルド・トランプ大統領が就任し、韓国の大統領選挙で文在寅氏が当選するなど世界の情勢が大きく動いた2017年は、ランサムウエア「WannaCry(ワナクライ)」の世界規模でのまん延がIT業界の大きなニュースとなった。
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Suica履歴販売が波紋呼んだ2013年、「匿名加工情報」議論の契機に
2013年
東日本大震災以来続いていた沈滞ムードからようやく脱した2013年は、膨大なデータを分析・活用する「ビッグデータ」の盛り上がりが最高潮に達した。一方でこの年は、ビッグデータの負の側面が図らずも明らかになった年でもあった。
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動かないオフコン問題が「火を噴いた」1981年
新潮社が写真週刊誌「FOCUS」を創刊し、それまでなかった写真を前面に押し出すスクープ報道を始めた1981年。IT業界にも新しいタイプの雑誌が誕生した。本誌「日経コンピュータ」である。
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Windows NTフィーバーが吹き荒れた1997年、「モバイラー」も現れる
1997年
1997年。金融不安が吹き荒れていた日本だが、IT業界だけは別の熱風が吹いていた。米マイクロソフトの企業向けOS「Windows NT」が爆発的に普及し、「NTフィーバー」と呼ばれるまでになっていたのだ。
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国産OS「BTRON」が日米の貿易問題になった1989年
昭和から平成へと元号が変わり、後にバブルと呼ばれた空前の好景気の最中にあった1989年。国産技術への自信を持ち始めていた日本のコンピューター業界を揺さぶる事件が起こった。国産OS「TRON」プロジェクトの中核だった「BTRON」が日米貿易摩擦で取り上げられたのだ。
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電子決済ビッグバン、Apple Payが日本上陸した2016年
2016年
米大統領選挙で劣勢と見られていたドナルド・トランプ氏がヒラリー・クリントン氏を破って当選し、世界経済のバランスが変わり始めた2016年。IT関連では米アップルの決済サービス「Apple Pay 」が日本に上陸し、「iPhone」で10月25日から利用可能になったことが大きなトピックだった。
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不正プログラムが猛威を振るった2001年、MSの覇権を揺るがす
2001年
アメリカ同時多発テロ事件が発生し、世界の人々がテロの脅威に晒された2001年。コンピューターのシステムやファイルを書き換える不正プログラムの脅威もまた、インターネット上で広がった。
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商用インターネットが日本で始まった1993年、iPhoneの「原点」も登場
1993年
曙(あけぼの)が外国人力士として初めて横綱に昇進し、プロのサッカーリーグ「Jリーグ」が開幕した1993年。法隆寺や姫路城など、日本で初めて世界遺産が登録されたのもこの年だった。IT業界に目を向けると、インターネットイニシアティブ(IIJ)が始めた日本初の商用インターネットが話題となった。
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ベネッセから顧客情報が大量流出した2014年、OSSトラブルも多発
2014年
理化学研究所が発表した多能性幹細胞「STAP細胞」の不正疑惑で日本の研究開発力への信頼が揺らいだ2014年。民間企業でも、消費者からの信頼を大きく損なう事件が起きた。
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二重派遣が禁止になった1986年、IT技術者を取り巻く法制度が変化
1986年
1986年(昭和61年)、米マイクロソフトが上場を機に完全子会社の日本法人を設立し、国内代理店だったアスキーとの提携関係を解消した。派遣法施行などによりSEの労働環境が大きく変化したのもこの年だ。
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年金情報が大量流出した2015年、サイバー攻撃が社会問題に
2015年
2015年(平成27年)、日本年金機構が標的型攻撃を受けて125万件の年金情報が流出した。サイバー攻撃の脅威が国会でも議論され、セキュリティー政策の転換点になった。
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NetscapeとIEが一騎打ち、Webブラウザー競争が激化した1996年
1996年
1996年(平成8年)、前年に「Windows 95」が発売されてパソコンとインターネットが身近になり、Webサイトを見るためのブラウザー競争が激しくなった。現在も情報システムやアプリの開発に使われているJava言語が登場したのもこの年だ。
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iPad誕生の2010年、東証arrowhead稼働で株式売買高速化へ
2010年
2010年(平成22年)、東京証券取引所の次世代株式売買システム「arrowhead」が稼働、欧米の証券取引所に肩を並べる高速システムが誕生した。米アップルが「iPad」を発表し、タブレット市場を切り開いた年でもある。
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大手SIが相次ぎ誕生、IT業界が変わった1988年
1988年
日本経済がバブルの様相を呈した1988年(昭和63年)、オープン化を契機にNTTデータなど大手システムインテグレーター(SI会社)が続々と登場した。IT業界でSEの人材育成が急務となったのもこの年だ。
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架空取引や顧客データの持ち出し、IT業界で不祥事続出の2006年
2006年
「J-SOX法」が成立して企業による内部統制の強化が進む一方、IT業界では架空取引など不祥事が相次ぐ――。2006年(平成18年)のことだ。ソフトバンクが携帯電話事業に参入し、大手3社が出そろった年でもある。
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バブル崩壊の1991年、ウェブとLinuxが誕生
1991年(平成3年)、いまも現役の技術である「WWW(World Wide Web)」と無償OSの「Linux」が誕生した。インターネットの本格的な普及に向けた中核技術として広がった。先進的な技術や製品を共同開発するオープンイノベーションの先駆けにもなった。
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IBMが大型アウトソーシングに口火、コンパックがDECを買収した1998年
1998年
1998年(平成10年)、大和銀行と日本IBMが情報システムの開発や保守・運用を担う共同出資会社を設けた。アウトソーシングブームの口火を切った形だ。米コンパックによる米DEC買収などIT業界再編の動きも目立った年だった。
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